アメリカの大統領選挙を見て

これがその場で書いてくれた、地図と説明文です。今見てもすごく丁寧に書かれていて、ボストンの街を愛する彼の気持ちが伝わる文面であります。

現在のアメリカには、何か違うものを感じる

ボストンのB&Bのように、いい経験ばかりではなく、フィラデルフィアの宿泊先では、別の外国人バックパッカーの女性が、顔が血だらけの状態で帰って来ました。夜道で何者かに襲われたそうです。 宿泊先でも差別的な言動が原因で喧嘩もあり、自分もあからさまな差別を受けたこともあります。

それまで、日本で暮らし、日本人として差別など受けることもなかった自分としては、衝撃だったと言うか、知らない世界を見たと言うか、とにかく自由の国なのに、理不尽な差別があるのを肌で感じました。また、ニューヨークでは、到着して駅で行き先を確認しているところ、目の前で警官ともみあう男性が、手錠を掛けられて逮捕される瞬間も目にしました。街に出れば、ホームレスも多いし、近道をしようとして、間違ってスラム街を歩いてしまったこともあります。幸い襲われたりはしなかったのですが、非常に怖かった覚えがあります。

差別問題

常に根深い差別とともにあるアメリカですが、最近のアメリカを見ていてると、それが著しく表面化され、SNSのツールも手伝って世界中に広まってしまっています。ご存知の通り、黒人に対する過剰な対応や逮捕で死者が出て暴動になっています。この問題は今になって始まったものではないのですが、少し異様な雰囲気を感じます。

1950年代は、もっとひどいものだったと聞きます。白人女優のポスターを黒人男性が見ただけで、警官や一般の白人に取り囲まれ、暴行を受け死に至るなど今では考えられない差別行為です。しかし、今年に入ってからのアメリカの様子をニュースでみると、それに近いことが堂々と起こり、スマホで撮影され、世界に拡散されています。

アメリカは都市部と内陸部、沿岸部と南部、それぞれが全く違う特色の地域で成り立っていますので、考え方にも違いが出て当然ですが、自分が旅をした頃のアメリカはもっと国全体がまとまっていた印象です。それが現在は分断されてしまっている気がします。

それは選挙の投票結果にも出ていて、得票率が一時は二分されていました。世界のリーダーでもあるアメリカがなぜこれほどまでに注目されているのか、もう一度考え直す時だと思っている人も多く、CNNなどでも激しく議論されていました。

差別問題をはじめ、健康保険の仕組みや税制の仕組み、アメリカ人にとっては、4年に一度の選挙戦が生活に直結する問題です。我々にはお祭り騒ぎに見えることもありますが、あれほどまでに熱狂するアメリカ人の様子をみると、その深刻度合いが垣間見えます。とにかく、アメリカ国内がいい方向に向かって行ってほしいものです。今回の大統領選挙は、自分の国に満足していないという人たちの表れでしょう。アメリカはアメリカ人の手でまとめるしかありません。