空き巣が活躍する季節

夕方5時にはもう暗いスイス

最近はもう5時前でも暗いかもしれませんが、とにかく日照時間が少ない欧州の冬。もっと北の方に行けば、1時間くらい早く暗くなるので、スイスはまだマシかもしれません。それでも、暗い中に住宅街のクリスマスのデコレーションが輝いて綺麗は綺麗です。

どこの家もタイマーを設置して、暗くなる時間にはもうイルミネーションがついています。そんな煌びやかな雰囲気の中、空き巣が増える時期でもあります。最近お隣のフランスでは、13歳と14歳の空き巣が捕まったと聞いて、ちょっと驚きました。子供の場合は、度胸試しとかそういう遊び感覚なのかと思いますが、それにしても子を持つ親としてもなかなかショックな空き巣事件。

防犯対策はセンサーライトやカメラ?

多くの家で、帰宅した際にライトがつくセンサーがありますが、これもずっと点灯しているわけではありませんし、クリスマスのイルミネーションで実は目立たないこともあります。一晩中イルミネーションで明るい家もあるので、センサーのライトも目立たない。そもそも明るいなら泥棒も入りにくいのかもしれませんが。

ダンボール箱は外に出さないようにすぐに処分

これも以前聞いた話ですが、空き巣は事前に下調べをしています。それは窓の形状とかどこから入れるかだけではなく、その家の生活パターンも見ている場合もあります。犯行は住人がいないであろう時間帯を狙ってごく短時間に行われます。

そして、家の前や玄関先にあるダンボール類も注意が必要です。廃品回収が次の週でも外には出さないようにしたほうが良いそうで、空き巣もそのダンボール箱を見てこの家の人が何を購入したかを見ているというわけです。TVやパソコンなど、高額な商品のダンボールがあれば、その中身は家の中にあるわけで、狙われやすいのだとか。何を取るのかさえ、すでに決めていれば、時間も短くて済みます。

しかし、最近はパソコンやタブレット、スマホなどは盗まれず、もっぱら現金と貴金属類が標的だそうです。スマホやパソコンだと製造番号から足がつくというのもあるでしょうが、金やダイヤなどは現金化もすぐできるようです。

日本で空き巣被害にあった経験

欧州では自転車の盗難にはあいましたが、空き巣はなし。しかし、昔日本で暮らしている時に、一度だけ空き巣被害にあったことがあります。その日は珍しく仕事が早く終わり、帰宅することに。同居人もまだ仕事中で、そのまま帰宅するのも勿体無いと思い、食事をしてから帰ることに。

玄関前の様子に異変

マンションの7階にある自宅でしたが、玄関の前で鍵を開けようとすると、何やら異変を感じます。暗いのでよく見えなかったのですが、なんと新聞受けが破壊されていました。ここをバールでこじ開け、手を突っ込んで鍵を開けたようです。

そして、家の中に入るとそこはもうぐちゃぐちゃにひっくり返されていて、しばらく立ち尽くしたのを今でも覚えています。何を取られたかもわからないくらいでしたが、次の瞬間は家の中に泥棒がまだ潜んでいないか?という恐怖にかられながら、チェックして誰もいないことを確認しました。

そして警察へ通報。

管理会社からエレベーターの防犯カメラを提供されて確認

後日、管理会社の人が家の様子を見にきて、防犯カメラのビデオを持ってきてくれました。自身で確認してから警察に提出してくださいとのこと。早速自分が帰宅した時間帯の映像をみると、なんと覆面をした窃盗団が帰宅15分前にエレベーターに乗っています。5分も滞在していないと思われますが、仕事帰りに食事をせず帰っていたら、鉢合わせしていた可能性もあります。

その場合は、バールで殴られていたかもしれませんので、悔しいですが鉢合わせしなくて良かったと思っています。それにしても、見知らぬ人間たちが、土足で人の家の中を歩き物色されるという気持ち悪い状態にしばらく落ち着きませんでした。引越しも考えて、色々他のマンションも見に行きましたが、結局そのマンションを退去したのは半年後。

スイスの相互監視社会

この日本での経験が、戸締りなど、用心深くなった理由であるのは間違い無いですが、スイスでもそれなりの防犯はしています。長時間自宅を開けるときは、電気をつけるとか、ラジオをつけたまま出るとか、外部に人がいると思わせるために色々工夫はしています。

スイスはとかく、相互監視社会と言われ、近所の人が何時に帰宅したとか、どうでも良いことを知っていたりしますが、普段の生活と違うことが起きると、すぐに異変に気がつく。そうした利点もあるようです。個人的にはあまり干渉して欲しく無いですが、暇なお年寄りなどは近所の人の行動をよく見ています。

その意味ではご近所づきあいももちろん大切です。留守中に家の植物に水をあげて欲しいとか、庭の水撒きをして欲しいなど、頼まれることもあります。頼まれるということは、ある程度信頼されている証拠でもあるので嫌な気はしませんが、留守中でも家の中に人をあえて入れたりすることで防犯になっているというのもあります。

我が家も、近くに身内がいないこともあり、信頼できる友人に自宅のスペアキーを渡してあったりします。どんなに高度なセキュリティシステムをつけていても、空き巣に入られて物を壊されたり、精神的な苦痛を味わう被害は起きてしまいます。犯人が捕まっても、その後極度な怖がりになってしまった人もいます。

スイスで防犯をするためには、信頼できる人に郵便物を定期的にとってもらうとか、庭の植物の水やりを頼むとか、そうした形の防犯対策も重要であると思います。