先月の外国人犯罪者に対する、国外追放案の強化が否決され、ほっと胸をなでおろした人も多いはず。スイスでの外国人比率を考えれば当然かと思う。
その反動か、今までスイス国籍を取得しないで暮らしてきた人が、スイス国籍申請をし出し、この法案否決後に急増している。
とにかく、この国で生活の基盤ができている人には、家族離散にもなりかねないこの法案の提出に危機感を抱くのが当然。殺人などの重大な犯罪を犯す以外にも、交通違反や事故、仕事上のなんらかのトラブルなどが重なれば、この法案通りに国外追放になった可能性があった人も実際にいる。
今後もまたこうした事案が議題になるのでは?という思いが、スイス国籍申請の急増につながっているようだ。
もう一つは、国民全員に毎月30万円程度が支払われる、ベーシックインカムの提案もこの国では起きている。
これも前述の法案のように、財源の確保など、難しいと考える人が多いが、「国民」という点でスイス国籍とは切り離せない案件だ。
ちなみに、これが実施されても、仕事を辞めると考えるスイス人は少ないというデータが出ている。
そして、大麻の合法化案も未だに聞く。先日も薬局で大麻の販売許可をするかどうかという議論も出た。しかし、WHOが発表したところによると、スイスの若者が一番よく大麻を吸っているというデータが出たそうだ。
各テーマは、また掘り下げて書きたいが、とにかく、スイスという国では、他の国ではテーマにすらならない議案が国民投票にかけられている。