国民投票/ブルカ着用禁止のイニシアティブ

国民投票の議題の一つ

「スイス国内でブルカの使用を禁止する」というイニシアティブが来週の3/7の国民投票の議題になっています。欧州でイスラム過激派のテロなどが激化する中、ブルカを禁止することで、テロの予防になるという主張ですが果たしてどうでしょうか?
2009年にもミナレット建設禁止の法案が可決されて話題になりましたが、こうした保守的な決定に、反対派はイスラムの人たちの気持ちを逆なでするだけという風に見ています。

実際に、テロを起こす過激派と善良なイスラム教徒の人たちが一緒くたにされている感じはあります。ブルカのように顔全体を黒い衣装で覆っていると確かに目を引きますが、禁止するほど多くの人が着用しているわけではありません。

この議題にイスラム女性たちは

この国民投票の議題に、イスラムの女性たちは、普段ブルカを着用しない人も抗議の意味を含めて、ブルカをあえて着用している人が増えているそうです。宗教的な色合いが強いブルカですが、スイスにそれを禁止する権利はあるのでしょうか?本人確認など、必要な場合は外さなければいけませんし、周囲の人に実害があるわけでもありません。

一方では、イスラム教での女性の地位の低さ、女性蔑視の象徴とも捉えられていることに対するイニシアティブだという人もいます。しかし、女性の地位を向上させるためにブルカ着用を禁止するというのは、論点が少しずれているかもしれません。

欧州でも禁止している国はある

このイニシアティブの推進派も、宗教的な儀式や礼拝などでは、着用を認めるということですが、公共の場では顔を出しなさいということです。
しかし、街で見かけるこのポスターを見れば、イスラムとテロを直結させるイメージしかありません。イスラム教徒イコールテロリストではないとわかっていても、このポスターからは、そうした誤解を招くイメージを発している気がします。

実際にフランスやオランダ、ベルギーなどでは、テロの激化を受けて、ブルカ着用が禁止されていますが、スイスがそれに続くことになるのでしょうか。
すでにティチーノ州では、公共の場でのブルカ使用禁止をしていますが、今回の国民投票でスイス全土の禁止になるのか、注目されています。