スイスのテレビ番組とオンライン映画配信サービス

映画制作法案の改定(国民投票)

コロナ禍に急増したオンライン番組、映画配信サービスのNETFLIX契約者が、現在減少しているそうです。コロナ規制もほぼ終わり、観る時間が減ったこともあると思いますが、この2月にNETFLIXは値上げをしました。他のオンライン配信サービスと比べて少し高いこともネックにあるようですが、この数ヶ月で20万件の解約があったとか。

それに追い討ちをかけるように、スイスには映画の制作法案というものがあり、収益の4%をスイスの映画製作に出資するという義務があります。スイスの全国、各地のTV局はすでにこの4%を支払っていて、今度の国民投票で、オンライン配信業者にもこの義務を課そうという改定案が出ています。

更に、改定案の中には、配信番組の30%をスイスまたは欧州内で制作するように義務付けも組み込まれています。30%という数字はかなりの割合ではないかと思います。

他にもアマゾンTVやディズニーチャンネルなども対象になり、今後同様に値上げも予想されます。

スイスで放送されるコンテンツは、50%がスイス及び欧州国内で制作されたものでないといけません。上述のオンライン配信サービスは、当然欧州国外での制作作品も多いわけで、特に映画産業の盛んなアメリカのものが人気です。

スイスの制作番組は魅力的か?

娯楽として観るか、情報として観るかにもよりますが、個人的な意見では、スイス制作のドキュメンタリー番組はよく出来ているものが多い印象で、取り上げるテーマも様々。独自の視点も垣間見え、日本人とは当然違うので逆に面白く感じることもあります。

しかし、映画やドラマなどの番組は、数的にもドイツやフランスのものが多く、スイス独自制作のものがそもそも少ないのですが、気がつけばドイツの制作ドラマや映画を見ています。スイスのものはというと、同じドイツ語圏でも正直おもしろ味に欠けます。それがなぜなのか、自分だけの感覚なのかわかりませんが、スイス人には受けが良いことを考えると、スイスジャーマンを含めて、スイス人しか理解できないユーモアセンスが入っているためかなと思います。(あくまで個人的な見解です。)

映画やドラマの話をしましたが、数ヶ月に1回放送される特番などは、非常によく構成されていてたまに観ることがあります。招かれるゲストとのトークショーも人気です。他にも、生き別れた兄弟を探す企画などのヒューマンドラマのように視聴者の感情を揺さぶるものも多いです。

しかし、スイス人は人の家のことが気になるのでしょうか?

ある番組では、司会の人が、一般人の参加者5名とバスに乗り、それぞれの家を訪ねて行き自宅の内覧会が始まります。誰の家なのかは明かされず、最後に誰の家だったかを当てるという番組です。

素敵なインテリアに豪華な家具、家主の趣味と思われるオブジェや絵画の数々。職業や家族構成も公表しないで、参加者の反応を見ながら家主を当てていくのですが、人の家の部屋のレイアウトや趣味の部分を見るのが楽しいでしょう。

最初は自身も面白く観ていたのですが、最近ではお金持ちの豪邸ばかりが出てきて、スイス人視聴者もどうやら飽きてきたようです。単なる家自慢大会になってしまって、人の家をちょっと覗いてみたかったスイス人視聴者も、あまりに一般家庭とは次元の違う生活ぶりを見せられて、辟易してしまったとか。そんなところもスイス人らしいかもしれません。

他にも、若者に人気の各国で展開している某リアリティショーがありますが、スイス版のショーは、どうやら出演者の暴言や態度がひどい場合が多く、お隣のドイツ版よりも低レベルだというスイス人が多いようです。スイス人に比べてドイツ人の方がはっきりものを言う傾向にありますが、このリアリティショーでは、スイス人の方が言いたい放題でカオスなんだとか。

普段あまりテレビを見ませんし、スイス人の感覚を持ち合わせていないため、スイスのテレビ番組が魅力的かどうかはここで評価できませんが、一視聴者として、尚且つスイス人の意見も聞いた個人的見解です。

来月の国民投票で、どのような結果になるのかは、またお伝えしたいと思います。