スイスの病院の状況と対策強化案

*上記は12/3発表の感染防止対策です。

昨日スイス政府は一部のロックダウンを提案

コロナの新規感染者が伸びている状況に危機感を示したスイス政府は、一部のロックダウンもあり得るという見解を示しました。最終決定は来週に持ち越しのようですが、周辺国の厳し目の規制に合わせてきているような印象です。
ワクチンパスが必要な施設は、陰性証明は不可にするいわゆる*2Gの導入です。そして、レストランなどの飲食店は閉鎖し、クラブやフィットネスなども感染防止対策が取れない場所は閉鎖という案です。
ロックダウンよりも2Gを、という声も多いので、2G-plusという、2Gに加えて陰性証明の提示を義務付けする案もあります。

*2G=コロナワクチン2回接種済みかコロナ罹患済み証明。

スイスの病院の緊急病棟は埋まりつつある状況

下記のリンクから、スイスの各カントンの緊急病棟の病床率が見られますが、カントンSolothurnは現在1つしかベッドが空いていません。別の日にはベッドが0の日もあり深刻な状況です。日々変わるのですが、どのカントンが余裕があるのかないのかが分かります。
https://www.covid19.admin.ch/en/hosp-capacity/icu

知人兄弟が喘息の発作を起こし

こうした状況になると、昨年同様、怪我や他の病気の手術や治療が延期になってしまうことが一番の問題です。スキー場のあるカントンでは昨年、スキー場のあるカントンでのベッドを確保できない場合は営業できないルールがありました。つい先日は、一人暮らしの知人の兄弟が喘息の発作を起こし、カントン、ヴァリス在住でしたが、ドクターヘリでローザンヌの病院まで運ばれました。緊急病棟がいっぱいだったからということです。あと数時間遅れていれば、命に関わる状況だったそうで、ホッと胸をなで下ろしていると話していました。

ブースター接種も始まり

3回目のブースター接種を推奨しているスイス政府ですが、2回目の接種を終えて半年経たない人のところにも次の予約をするようにメールが来ています。この冬を乗り切るために早めの接種をということですが、そもそもワクチンの効果の期限は1年になっていたにも関わらず、実際には半年が立つと効果がだいぶ薄れているということが言われていました。そして、どんどんと変異するウィルスに対応できていないので、3回目が必要とのことですが、ワクチン自体も変異株に合わせたものが接種できればいいのですが、それもあやふやなままに3回目のブースター接種をしてもどうなのか?という声も多いです。だから自分はまだ打たずに、改良されたワクチンを待つという人も多いです。

しかし、3回目のブースター接種をした人にワクチンの効果の期限を聞くと、その場で見せてくれましたが、前回同様1年有効でした。半年で効果が薄れるという話をしていたので、てっきり効果の期限も半年かと思いきや1年だそうです。
もちろん、1年持ってくれればそれに越したことはないですが、少々慎重になる人が出てきても不思議ではないでしょう。

中学のスキー合宿も中止に

とにかく、国としてはなんらかの対策をしなければいけないわけで、年末に向けて感染防止対策が厳しくなるのは仕方ないです。しかし、子供達の学校行事にも影響が出ていて、今シーズンは開催される予定で日程も決まっていたスキー合宿は、昨シーズンに続き、急遽中止となりました。まだ正式な文書はきていないのですが、子供達が先生から発表があったということで、スイス政府やカントンの発表の前に中止を決定しているのを見る限り、部分的なロックダウンも現実味を帯びてきました。もちろん、学校側としては、コスト的なこともあるでしょうが、100人近い生徒が1週間スキー合宿で共同生活となると、なかなかリスクを犯すにはハードルが高いかもしれません。
とにかく、卒業してしまう生徒には、もう二度と来ない今のクラスメイトとのスキー合宿や旅行。残念でなりません。