散歩の人で溢れるスイスの森

今年の春に見た光景と同じ

今年の春先に始まったコロナウィルス感染拡大によるロックダウンの際は、行き場を失った人たちが、森へ散歩に出かけていつも以上の集まりだったのを覚えています。更にはBBQをしている人もいて、普段となんら変わらない光景でしたが、世間はコロナウィルスが広まって行きました。現在のスイスは、まさにロックダウン直前のような状況ですが、今日も天気がよく散歩の人で森はあふれていました。屋外なので、マスク姿の人も見かけずで、知り合いにあって立ち話する人も見られました。

週末天気が良ければ、散歩に出かけるのはスイス人としてごく普通のことですが、コロナのために、それまで奪われたくない気持ちがひしひしと伝わってきます。一方では、増加する感染者数は勢いを止めず、スイス各地の老人ホームにも出始めています。こうなると入居者はまた外出できなくなり、家族の訪問もシャットダウンされてしまいます。これに心を痛める人も多く、家族とのつながりが強ければ余計精神的ダメージも大きいでしょう。

メンタルケアも増えた2020年

家族がいる人もそうでない人も、何か見えないものに生活を制限されることはストレスです。家族がいればまだいいと思っても、一人が感染してしまえば、他の家族にも影響が出て、自宅待機を強いられ、学校や会社に行けなくなります。逆に一人暮らしの人は、影響は少ないものの、孤独になりがちです。実際に人と接することを一番に望んでいる人が多いのはTVでのインタビューや調査でも明らかで、それができないためにうつ病になったり、急に元気がなくなったり、ストレスを抱えた人が急増しています。

特に若い世代では、一番人との関わりが大切な時期でもあり、それを制限されて落ち込む人が多いようです。実際に20歳前後の世代が、コロナ感染による症状も出にくく、家族や周りの人に感染させやすいと言われていています。一番活発に動く世代が、行動を制限されています。

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