出回る名簿

日本の強盗事件のニュース

今日本では、強盗事件のニュースが毎日報じられています。海外からスマホで指示を出して、強盗グループに犯行をさせるという手口らしいのですが、その裏にはターゲットとなっている資産家のリストがあるそうです。誰がどのくらいの資産を持っていて、いくらの現金が自宅に保管されているかなど、詳細を書いたリストも存在するとかで、特に一人暮らしの高齢者は狙われやすいとかで恐ろしいことです。

そのリストの元となっているのが、名簿だそうですが、会社や大学、高額商品の購入者リストなどが、普通に取引されているのだとか。それ自体は、企業がマーケティングに使用するために入手する事もあるそうで、個人情報にうるさくなった現在も、そんな名簿が売り買いされていて野放し状態のようです。

これを聞いて、あることを思い出しましたが、自身の出身高校や大学の名簿がそうした業者に出回っているという話を何年か前に聞いたことがあり、実際に詐欺のような電話が自宅にあったという知人もいました。同級生たちも自宅に住んでいるという人は非常に少なく、当然そのリストの電話番号や住所には、高齢の親が住んでいることがほとんどです。

何十年も前から、現在に至るまで、詐欺電話は無くならず、被害者も多いわけです。

大学の卒業生のリストには、就職先も記載されていたような記憶がありますので、今思えば個人情報が満載の名簿は、悪徳業者に利用される格好のリストとなっていくわけです。

デパートなどの高額商品の購入者リストなどは、企業から流出しているので、内部の者が持ち出したと思うのが普通です。

金融機関からもそうしたリストが出ているとかで、犯罪グループの手に渡ったら、本当に怖いことです。

スイスでも詐欺の電話

スイスでもつい先日、同じような詐欺の被害がニュースに出ていました。高齢者の家に電話があり、お宅の子供さんが、死亡事故を起こして、現在留置されているので、その示談金が必要だと巧みに騙し、5万スイスフランを騙し取られたそうです。

ドイツでも最近あったコロナ詐欺。

ある日、老夫婦に病院から電話があり、「お宅の息子さんが、コロナに感染して緊急入院して危ない状況です。意識はなく、薬も無いため、手の施しようが無いですが、一つだけ助かる方法があります。

ドイツではまだ承認されていないコロナウィルスの特効薬をスイスからヘリコプターで緊急輸送して、その薬を投与すれば、命は助かります。」とのこと。

その額は37000ユーロ。今日中にキャッシュで払う必要があると言い、息子の奥さんに確認する前に現金を用意したそうです。

しかし、この件は、銀行の支店長が不審に感じ、家族に電話するように促し、被害を免れたそうです。

日本の親には気をつけるように連絡

日本を出て、海外で暮らしている人は、実家の親と連絡も途絶えがちです。日本やスイスの例を見てもわかるように、詐欺の電話がかかってくるのは、自分ではなく実家の親宛です。

自分の子供が日本に住んでいないので、まさか騙されるとは思っていないようですが、それでも、どんな情報が犯罪集団に共有されているのかわかりません。

自身の海外在住情報も持っていてもおかしくありません。被害者の多くは、まさか自分は騙されないだろうと思っている人が多いそうです。

その意味でも、一度実家の親に注意を促しておくのも大事なのかなと思います。