ゼノフォビア(外国人嫌悪)

Xenophobia

最近またこの言葉を聞くようになった気がします。ゼノフォビックとかゼノフォビアという単語ですが、いわゆる「外国人嫌悪」という意味合いになります。

アメリカのオバマ大統領が、黒人初の大統領就任をした際にも、この言葉を聞いた気がします。

人種差別の根絶はなかなか難しいものがあり、時代と共に形を変え、表現を変えて、世界で起きていることです。

最近は、ヘイトクライムという言葉がたくさんメディアでも出てきましたが、このゼノフォビアという言葉も同義じゃないかと思います。

コロナウィルスに始まった差別

人間は常に誰かを差別しなければならないのでしょうか? コロナウィルスが世界に広まり始めた2020年初頭、各地でウィルスの発生源とされる中国に注目が集まりました。欧米でもアジア系の人が襲われたりして、ニュースになりました。

コロナウィルスのワクチンが出始めると、今度はワクチン反対派と賛成派で衝突し、暴行事件やマスク着用をめぐっての喧嘩など、問題が増えました。

日本入国を巡っては、鎖国状態だと揶揄される

現在もなお、日本に入国するには外国人の人にとってはハードルが高くなっています。徐々に入国制限の緩和がされてきていますが、他国にも遅れをとっており、技能研修生や留学生など、ビジネスマンを含む多くの外国人が日本に入国できず、学業や仕事のチャンスを失っています。そして、それは日本の経済損失にもつながります。

この鎖国状態が、外国人のみならず、在外邦人にまで影響しているのは明らかで、コロナ禍に日本へ帰国した人が、一歩も外へ出れず、実家のある地方にすら人の目を気にして行けなかったと聞きました。

外国に長く住む日本人は、もはや外国人扱いで、海外からウィルスを持ち込ませるな!と言っている人もいたとかで、それは自国民に対して酷い仕打ちではないかと思いました。高齢の親に会えなかったり、老人ホームも面会を遮断していて、なかなか気軽に行けない状況は理解しています。こうしたことから、コロナがピークの時期は、日本への一時帰国自体を考えることすら多くの人がやめていました。

健康診断を断られる

今年は、このコロナウィルスも徐々に落ち着き、スイスなど欧州では、入国の際の検査証明はもちろん、ワクチン証明も必要ない状態です。日本にも昨年よりは帰国しやすい条件となり、ワクチンの3回接種を済ませている人は待機期間がなくなりました。

しかし、ある人が一時帰国の際に申し込んだ健康診断や人間ドックで、医療機関から受診や検査を断られてしまったということでした。つまり、日本人だが、外国に長く滞在しているので、型の違うウィルスを持ち込まれては困るということでした。しかし、その人は感染もしていませんし、ワクチン接種も3回済んでいます。結局別の医療機関で受診することができたそうですが、これは在外邦人に対する「ゼノフォビア」ではないかなということでした。

海外から入ってきたものに対する恐怖や不安は、島国日本の人間には大きいのかもしれません。

実際、たまに一時帰国して、あまり親しくない知人と話をすると、「あんたは別世界の人だから」と何やら意味深なことを言われたりするのですが、それはそれで、いい気はしません。

部外者、よそ者と言われたに等しいです。

日本が入国を大幅に緩和しても、日本国内での外国人および在外邦人に対する制限はまだまだ続きそうです。