散歩の人で溢れるスイスの森

就職先や職業訓練先を見つけられない

その若い世代が直面している、就職活動および職業訓練先の確保が難しくなっている問題があります。人との接触を避ける前に、会社自体が存続の危機に晒されていれば、研修制を受け入れることなど難しいでしょう。実際に、研修制受け入れをコロナのために控えている会社も多く、そうなると次の年の学生にしわ寄せが行きます。また、今年、研修を終了すべきだった人たちも試験が延期になったりして、正規の就職時期も遅れていると聞きます。スイス政府も、経済活動と医療面、そうした学生の就職活動も視野に入れて対策を練らないと、後年に響いてしまいます。

投資の時期と割り切る事業者もいるが、、

経済活動がストップしている時期は投資時期と割り切り、店舗のリノベーションなどに切り替えている人もいますが、それも資金力があってのことです。特に自営業者は、保証も少なく、資金力も限られ、家賃だけでも相当な負担になり、それだけで廃業が決まってしまうケースも多いです。ギリギリのラインで試行錯誤している事業者が多いので、このまま年を越せるのか不安な状況のままクリスマスを迎えてしまいます。

特に旅行業界で失業した人の業種変更の難しさ

コロナウィルス拡大の一番の打撃を受けた航空、旅行業界ですが、店舗をすでに閉鎖した会社や失職した知人もいます。スイスの職業訓練システム上、難しいのは、業種の変更が容易ではないことです。実際に旅行会社で働いていた人が、別の職を見つけるためには、その職業訓練を受けていないとなかなか雇ってもらえません。すでにその業種の職業訓練をした若い世代がたくさんいるわけですので、中年ともなるとコネでもないと難しい。仮に別の職業訓練を終了していても、その職種での経験がない場合や長年離れていた場合は難しいわけです。ただし、一般的な事務職をしていた人は、別の会社の事務職を得る可能性もあります。

コロナウィルスがおさまれば、また旅行をする人も増えて旅行業界の業績も戻ってくるはずですが、今はその見通しが立たない。しかもそれまでいくつの会社が事業を畳まなければいけないか、わかりません。

そうすると、別業種で乗り換えができるのは人員が必要とされている病院や介護職ですが、これもある程度訓練を受けねばなりませんし、急に介護と言っても向き不向きがあります。体力と精神力が必要で誰でもできる職ではありません。ただ、過去の職歴は問わず、応募することは多くの人ができるようになっているそうです。

おそらく誰もが現在は何かしらの影響を受けて、次の半年の予定も立たない状況だと思います。こうした状況は、やはりインフルエンザ同様、ワクチンや処方薬が浸透しないと難しいのでしょうか。今年のインフルエンザのワクチンも在庫がないそうですから、ますますそうした報道に不安を覚えますが、とにかく気をつけられることの全てを実行しなければ行けない時期に入っています。