スイスの夏休み始まる

スイスは夏休みに突入

 非常事態宣言を解除し、自粛規制も大幅緩和、近隣諸国の国境も開いて、いよいよ夏休みが始まりました。先日お伝えしたコロナウィルスの追跡アプリもダウンロードが連日されているようで、一部の古いスマートフォンでDLできないとか、エラーが出ているなどの不具合は報告されていますが、順調にインストール数が上がっているようです。

 その一方で、チューリッヒのクラブでのクラスタ発生やセルビアからスイスに入国した人が50名から60名の陽性感染者を出していたり、夏休み直前の学校でコロナウィルス陽性の生徒が出た学校では、同じクラスの生徒が14日間自宅待機になったりと、やはり予想していた通り観戦の推移は上がってきています。

観光地もぬか喜び

 休暇先に人気のギリシャやスペインなどは、軒並みフライトが一定数にならず欠航の便も多く、多くのスイス人は自国で過ごすようです。しかし、大幅緩和前にフライトスケジュールの再会や観光地の大きな呼び込みがぬか喜びになりそうな気配が出ています。イタリアの地元では、欧州からの観光客を受け入れる前に倒産してしまっているレストランや商店が後を立たない状況のようです。ある観光地では、あまりの予約の少なさに街全体のお店の再会を諦めたところもあるようです。
 
 万が一の場合には、病室を観光客用に確保しているとアピールしていたビーチリゾートでも、ホテルやレストランを開けられるかどうか瀬戸際のところのようです。大幅緩和が発表されて、欧州各地の観光地は、安心安全のアピールを最大限して、新たな予約でいっぱいになるホテルもあったと聞きますが、蓋を開けてみると、やはり皆警戒して自国に留まるという結果になりそうです。観光客が来る前に倒産という町も出ていることは、大幅に減った観光客数では、この夏を乗り切れない可能性があったということです。ホテルやレストランが休業しても、家賃やメンテナンス、税金や従業員の給与など、固定コストが重くのしかかり、泣く泣く商売をたたむということでしょうが、これは観光地に限らず、一般企業でも起こりうることです。

スイス国内も大幅赤字

 スイス国内に夏の休暇を切り替えたのは、一部では特需となるのかと言われましたが、全体をみれば、やはり観光業は大打撃のようです。中国人などの海外からの富裕層の観光客が見込めなくなったことは、大きいようです。スイス人が国内を観光しても、時計や宝石を買うわけではなく、土産物屋さんでも、まさか鳩時計を大量にスイス人が購入するとは思えません。国内観光客では消費が伸びないとうことです。
 また、夏のイベント関連では、1000人までの規模のイベントとなると小規模に近く、イベント関連会社は軒並み休業状態でかなり厳しい状況です。

経済活動が再会するまで

 今後は、経済活動が回復するまで、1、2年、もしくは、もっと時間がかかると言われています。ホームオフィスという働き方が、ある意味浸透したことで、基本的な働き方にも変化が生じそうで、職種によっては最初からホームオフィス勤務を募集する可能性もあります。通勤時間がなくなり、事務所の費用も削減でき、決められた任務がそれで遂行できれば、会社にとっても反対する理由もなくなります。定期的に集まりミーティングすれば、それで住むようになるかもしれません。ただし、自宅での勤務が難しい人もいるので、それに伴う課題は出てくるでしょう。それでも、効率化を求めてそうした企業が出てきてもおかしくはない時代です。

 この夏を乗り切り、来たる秋冬に向けて準備を万端にしておくことしか出来ないのかなと思うと少し寂しい夏になりますが、またロックダウンする日がくる前に、今出来ることはなるべくやっておきたいと思います。