大幅緩和初日の大規模デモ

新型コロナ感染拡大の大幅緩和初日

 第3段階となる自粛緩和の日、スイスの各町ではデモ行進となった。デモ行進は人種差別に反対するもので、チューリッヒ、ビール、バーゼルと多くの街で起き、特にバーゼルは5000人もデモに参加したと報道された。警察官も膝をついてアメリカで亡くなった黒人男性の死を悼んだ。
 これまでも、人種差別の問題は多く報道されてきたが、これだけ世界的に広まったのは記憶にない。コロナウィルスで幕開けた混沌とした2020年を象徴している様な出来事にも思える。このデモでは、比較的混乱もなく、参加者も大人しかったので、警察が無理に介入して騒ぎにしたくなかった様だ。それでも、許可されているイベントは300名まで。それを遥かに超える人数だったのにも関わらず、お咎めなしに近い対応に少々驚いたが、完全にコロナウィルス収束ムードになっている証拠だ。ちなみに新規感染者は20名前後出ている。

動物園も再開

 バーゼルの動物園でも、なんと今日の1日で約4000人の来場者だったそうだ。動物園のスタッフは、動物も皆が来るのを待っていたという事らしいが、その真偽はともかく、この3ヶ月の状況を考えれば、急に何千人もの人が来場して状況の変化に驚いたに違いない。動物園内でも家族単位で2mの距離を保つのはできそうだが、屋外ということもあり、大目に見ているのかもしれない。スーパーでも、2mの距離はほとんど開けられていない状況だった。

国境が開くのが要

 あと10日もすれば、国境が開き、夏季休暇に向けて一気に加速する。スイス国内だけの人の移動と近隣諸国からの大幅な入国とどれほど差が出るのかはまだわからない。この国境開放である程度、今と同じ感染推移を保つことができれば、本当の収束になりつつある。

南半球の状況と今年の冬

 現在南半球では、感染が拡大している。この状況が、冬に北半球でも戻ってきてしまうか、まだまだ不安。飛行機もどのくらい運航の再開に至るのか、今までとは違って、すでに発着地を減らす航空会社もあるので、もしかすると、予約してあるフライトが変更になる可能性もある。
 とにかく、この夏に通常営業をさせないと、経済的にもダメージが大きいので、欧州各国の夏に照準を合わせた自粛緩和政策は、今の所順調に思える。あとは次のシーズンにどう備えるか?ということかもしれない。