テレビ番組Voiceが自宅から中継

本来の生中継番組が自宅からの映像で

 スイスだけでなく、世界の国々でポピュラーになりつつあるVoiceという素人の歌唱力を競う番組がありますが、皆さんご存知でしょうか?一度は観たことがあるかもしれません。昨日はその番組のフィナーレで、誰が今年の優勝者かを決める放送でしたが、新型コロナウィルスの影響で、スタジオから生中継することができず、各自自宅から中継という感じでした。もしかすると中継ではなく、録画だったかもしれませんが、どの歌手が一番か、最後は視聴者が電話投票をすることになっています。この電話投票はリアルタイムでした。

 普段こうした番組をあまり見ないのですが、今回は家族が見ており、しかも各自が自宅から映像を送っている様子が珍しく見ていたのですが、晴れて優勝者が決まったのに、ただ名前を発表するだけで、なんとも盛り上がりに欠けた放送。優勝した18歳の男性が非常に気の毒でした。

他国の番組も同様に遠隔で放送

 この手の番組はドイツなどでも、同じように遠隔で放送していたと思います。数週間前は、スタジオに観客なしの状態でこうした同じような歌番組を放送していたのを見ました。現場の雰囲気も何もなく、観ている方も放送している方もかわいそうになってきます。制作会社の人は、何ヶ月もかけて準備してきたのに、フィナーレがこんな放送では報われません。

ニュース番組も透明なついたてが。インターネットに救われている現代

 ニュース番組では、すでに透明なついたてが立てられ、ゲストで出演の方とは、アクリル板越しにインタビューをしていました。街頭インタビューでも、マイクには袋をかけ、長い棒にマイクをつけて、街行く人にインタビューしています。これを事情を知らない何十年も先に見る人はなんと思うでしょうか?滑稽です。
しかし、今はそれで正しいのかなと思います。普段の生活からテレビまで色んなところに影響が出ています。
 その中で救われているのは、やはりインターネットという技術でしょう。インターネットがなければ、前述の遠隔中継やテレビ番組自体が成り立たない状態です。スカイプなどの機能を使えば、相手の顔を見て話せるし、最近では会議でよく使われる、複数での電話会議が可能です。実は先日初めて、この機能を使い、友人の誕生日お祝いをしました。パソコンのカメラ越しにハッピーバースデーを歌い談笑。昔はできなかったことが、今はできるわけで、思った以上にタイムラグもなく良かったです。

電話会社がGPSで追跡も

 インターネットや技術進歩の良い点を書きましたが、自宅待機要請が出ているのに、むやみに出歩く人を監視するため、電話会社がGPS機能を利用してどのくらいの距離を移動したか調査しているということです。スイスでもユーザーの了承を得ずに調査を始めたという噂で、批判の声が出ています。この調査が絶対に悪いとは言えませんが、確かに、悪い方で利用をする人もいるわけで、コロナ関連の詐欺メールも増えています。

ネット上の国境、線引きは難しい

 近年、インターネットのGDPRというデータ保護の法案が欧州で可決され、すでに実施されていますが、今まで国境のなかったネットの世界にも国境を設けようという試みです。これには、データの不正取得などが問題視されているわけですが、罰則の基準がはっきりしない場合もあり、自分も罰則を受けるかもしれないという恐怖で商売をやめてしまった人も多いです。罰金刑はかなり厳しいもので法外な金額です。小さな事業をしている人にとっては、そんなリスクは負えないということです。

基本は2チャンネルのスイス

 テレビの話に戻すと、スイスは国営放送チャンネルが2つあるだけで、他は地方都市のチャンネルです。言語が4つあるスイスですが、各言語で2つずつが基本のチャンネルです。全国放送が2つという、日本では考えられない環境ですが、お隣の国のテレビ番組を観れることもあり、チャンネル数は欧州規模で見るとけっこうたくさんあります。それに加えて、CNN,BBCなどがありますので、まあ十分ではないかなという感じです。このテレビも最近は、NETFLIXなどの台頭で立場が危うくなっています。ネットの普及により、固定電話はもちろん、TV放送の契約をしない人もいて、時代は変わったとつくずく思います。
 ただ、現在の外出自粛の環境では、仕事も学校もプライベートも、全てがネットで繋がっており、その恩恵を受けているのは間違いないでしょう。