在外邦人もマイナンバーを申請できるように
2024年5月27日から、現在マイナンバーカードを持っていない日本国籍の国外在住者も国外転出者向けマイナンバーカードを在外公館窓口で申請することが可能になりました。
これにより、日本に資産のある方や日本国内で家賃収入などのある方の確定申告等の手続きが楽になります。これまでは、住民票がない在外邦人は、マイナンバーの登録自体ができませんでしたが、今回の改正により、申し込むことができます。
しかし、マイナンバーカードは、口座番号との紐付けや個人情報の把握に使われるため嫌う人も多くいます。日本国外に資産や預金のある人は、日本での課税対象になるケースもあり、申告をしなかった場合は罰金刑になることもあるようです。
日本国籍者(日本在住者)が、海外に持つ5000万円以上の資産や預金は申告の義務があり、日本の税務署も把握していると言われますので、これを申告しなかった場合はペナルティになります。実際あった話では、亡くなった親が保有していた日本国外の資産を家族が申告しなかったことで、追徴課税やペナルティを受けて、結果的に資産がほとんど残らなかったというケースもあります。
日本の銀行口座
基本的に日本の銀行口座は、日本に住民票かマイナンバーがないと開設できません。また、海外移住する場合は、転出とともに口座を閉めなければいけませんが、残して海外に転出している人がほとんどだと思います。これは厳密にはルール違反となり、場合によっては口座凍結となることがあります。日本の銀行口座を残す場合は、海外に移住する旨や海外在住であることを予め伝えておけばOKとする銀行もあるようですが、「知らなかったことにしてください」と言われた人もいるようですので、銀行内でも問題視されているのが伺えます。
一時帰国をして、銀行窓口でマイナンバーカードや住民票の提出を求められた際、口座名義人が海外在住ということが銀行側にわかってしまうようです。
口座名義人の住所を海外にする場合も色々条件がありますので、各銀行によって対応が違い、手続きも煩雑なため、結局そのままというケースが多いようです。
居住国での税申告
このように、海外に長く住んでいて、日本の銀行口座はそのままという人は珍しくありませんが、その口座の預金資産を居住国で申告している人はあまりいないようです。
これは、居住国によって違いますが、日本の預金や資産を申告していない場合、罰金の対象となり得ます。仕事や確定申告等で日本の銀行口座を使っている場合は、居住国での申請を法人名義でするのが当たり前ですが、後々個人情報統合化が進んだ場合、日本の資産を申告していなかったことがバレてしまうかもしれません。その逆も然りです。
日本では、多くの自治体が1年以上の滞在で住民票の登録を認めていますが、一時帰国の際、実家のある市町村に住民票を入れて、健康保険証を取得して、医療サービスを受けるという人も昔は多くいたのですが、これもルール違反になるようです。
マイナンバー制度のようなデジタル化に伴い、これまでのデータが統合されてくると、在外邦人にも便利な反面、申告してこなかった記録も今後明るみになる可能性はあります。
海外で暮らしていても、一時帰国は誰もがしますし、家族がいる限り無関係とはいきません。定年退職をしてから日本に帰国される方もいますので、総合的に見れば、マイナンバー制度のようなデジタル化は便利になるとは思います。
海外在住歴が長い方もそうでない方も、一度帰国時に調べておくと良いかもしれません。