スイスの食生活と肥満

カロリー高めの食事

スイスに住んでいて、自分で日本食を作るという人も多いでしょう。しかし、なかなか欲しい食材がなかったりして、代わりのもので済ませたりすることもあります。もしくは、現地の料理に切り替えて、済ませることもあると思います。スイス料理ももちろんおいしいのですが、どうしてもカロリーが気になります。お肉のメニューだとしっかりソースがかかっていたり、ジャガイモとの合わせだったりすると、あっという間にお腹がいっぱい。そして、胃もたれや胸焼けの原因になります。

スイス料理に限らずですが、欧州に暮らしていると食べる頻度が多いのが、ジャガイモです。ソーセージや肉メニューにもセットになっていることが多いですし、スイス人のフライドポテト消費率は結構高いのではないかなと、外食する度に思います。実際に、友人宅に招かれてBBQしても、他のメニューでもポテトが出てくることがありますし、みんなが好きなポテトという印象です。

フードフェスティバルなどに行っても、長蛇の列になっているのはフライドポテトなどの揚げ物系。しかし、油で揚げたものはどうしてもカロリーが気になります。子供たちも大好きなこのポテトをはじめ、食生活の違いから長年欧州で暮らす日本人には徐々に影響が出てきたりします。

甘いものも大好き

スイスといえば、おいしいチョコレート。これは誰も否定しませんし、自分も好きです。それだけではなく、基本的に甘いものが好きなスイス人。菓子店に並ぶケーキやスイーツはどれも美味しそうですが、とにかく甘い!砂糖の量が多すぎるのではないかなとよく思います。実際に、ケーキのレシピを見るとそんなに砂糖を入れなくても十分甘いだろうと思うこともよくあります。ですので、レシピにある砂糖の分量を減らしてケーキなど焼くとちょうどいい甘さになることがほとんどです。(もちろん好みによりますが)

子供の好きなシロップ?

小さなお子さんがいると、お友達が来たり招かれたりすると思いますが、おやつの時間になると、やっぱり出てくる甘いもの。チョコレートやクッキーは普通ですが、飲み物によく登場するシロップがあります。どこのスイス人家庭に行っても子供に勧められるシロップ。シロップを水に溶かして好みの甘さに出来ますが、このシロップがとにかく甘い!まあ砂糖水といったところでしょうか。子供は味覚に敏感ですが、幼少期に慣れた味覚は大人になっても残るそうで、つまりはジャンクフードばかり食べて育った子供は大人になっても微妙な味の違いがわからなくなってしまうそうです。それはスイスに限らず、日本でもどの国でもそうですが、いかに幼少期の食生活が大事かという話はよく聞きます。

そんなこともあり、子供が小さいうちは、来客でもない限り我が家はジュース類を一切買いませんでした。子供が飲むのは、水か牛乳でした。お誕生日会で幼稚園のお友達がコーラを飲んでいても、あまり興味がなく、そもそも炭酸水が苦手だったようで、ジュース類はあまり飲むことがありませんでした。今でこそコーラくらいは飲むようになりましたが、味覚の敏感な幼少期にあまり濃い味ものに慣れさせたくなかったというのが理由です。大人になれば、いずれはいろいろなものを食したり飲んだりするわけですから、その時にちゃんと味がわかれば良いと思って、気をつけていたことでもあります。

肥満の原因は遺伝か食生活か?

自分の家庭の食生活が正しいとは微塵も思いませんし、実際、ハンバーガーやジャンクフード、インスタントフードも食べたります。おそらく日本に住んでいたら、肉の割合が減って、魚料理が増えていただろうと思いますが、基本的には野菜をとるようにする以外は、好きなものを食べています。

肥満の問題はどこの国でもありますが、子供の肥満はやはり深刻です。欧州ではオランダの子供が肥満率の高い国として以前記事を読んだことがあります。食事と遺伝。肥満の原因は、どちらもあると思います。食べても食べても太らない人もいますし、食べても運動してすぐに消費する人は当然太りません。ただし、この消費具合が人によって違うので、その辺が遺伝によるものなのかなと感じています。

遺伝を除けば、食生活の重要性はもちろん無視できません。健康的なメニューでも、人の倍食べていれば当然太るでしょう。食べているものも大事ですが、食べる量もかなり影響があります。スイス人の友人宅には何度も呼ばれますし、一緒に食事にも出かけますが、みているとやはり食べる量が全然違うのだなと感じます。

レストランでも、1人前の量がかなり多いと感じますし、この量に慣れてしまうとやはり摂取量は必然的に増えてしまいます。

会社の食堂で太る

ある友人が、大手の企業で勤めていた頃、毎日ランチは会社の食堂でした。しかし、3ヶ月であっという間に太ってしまい、毎日フライドポテトかマッシュポテトを食べていたことに気がついたそうです。他にもメニューはあったと思いますが、おそらく一番手軽なメニューを食べていた結果、毎日ジャガイモを摂取していたようです。

その後、自分でランチを用意するなどして、会社の食堂での食事を減らし、なんとか元の体重に戻ったそうです。

自分で料理する際は、おそらく野菜と肉のバランスなど色々と考えると思いますが、毎日の食堂となると、あるものを選ぶだけで、やはり美味しそうなものを選びがちです。しかも、社員食堂が、外の飲食店に比べて、かなり安いのでそれも大きな要因でしょう。

これまで、周囲のスイス人家族や子供たちをみてきましたが、偏った食事をしている人は多いように思います。いつも同じものしか食べない人も結構多いです。個人的には、高カロリーの食事をする量と頻度が多い人は肥満の傾向があります。小学生などは自分で料理しないので、当然親が用意したものを食べています。それがやはり子供には重要な気がします。スポーツなどで定期的にエネルギーを発散している子はまだ良いですが、インドア系の子供たちは運動不足ですので、そこに偏った食事が重なると良くないです。

食習慣や生活習慣を変えるのはなかなか大変ですが、我々日本人も、欧州生活が長い場合は年齢と共に考えなければいけないなと思います。