サマータイム終了とうるう秒

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10月最後の日曜日、欧州ではサマータイムが終了し、冬時間に移行しました。コンピューターやスマートフォンを始め、最近のほとんどの機器はサマータイムに対応していて、自動的に表示時間が変わる。古いアナログの時計や機器だけは、手動で直さなければなりません。
たった1時間時計の針を戻すだけで、微妙に体が時差を感じる。何と無く気だるい。いやいや、1時間とは結構大きな時間であります。
今回はサマータイム終了で時計の針を戻すのでまだいいですが、サマータイムに入る際は1時間進めるため、飛行機や電車に乗り遅れた人も知っています。

このサマータイムは、かつて日本でも導入された時期がありました。1949年4月3日より4回導入されましたが、これは戦後米国に占領された期間に実施されました。1952年4月28日に占領が終了するに伴い、1952年4月11日をもってサマータイムは終了となります。しかし、北海道などは緯度が高く、本土より日照時間が長くなるため、度々議論になり、一部の地域や企業で実施された例もありますが、これは時計の針を進めるのではなく、1時間早く繰り上げて退社するなどの、時差出勤のような感じで行われました。
また同じ国内で時差があるのは、業務上様々なやりとりをする上でも複雑になり、特に交通網などは混乱する恐れもあるので反対論が強いようです。

これとは別に、2017年の元旦には、うるう秒の調整が行われる。これは地球の自転と公転に基づく天文時と時刻を正確に測る原子時計の間で1秒の差が生まれる。これを数年に1度調整するというもの。具体的には2017年1月1日(日)午前8時59分59秒と午前9時00分00秒の間に「8時59分60秒」を挿入します。つまり元旦が1秒長くなるわけです。
参考:http://www.nict.go.jp/press/2016/07/08-1.html

これにより、例えばインターネットの世界では、この1秒を挿入することで、不具合が出るなどの事例もあります。サーバー会社がきちんと対応している場合がほとんどですが、これは全世界的な調整にもなるうえ、作業も不具合の対応も非常に大変なことから、うるう秒の調整廃止の議論が出ています。

とにかく、1分1秒単位で管理された我々の生活は、いろんなところで調整されています。日本もスイスも世界的に見れば、時刻には正確で、電車やバスもそう極端な遅れ方はしないほうでしょう。機械的な時間の調整も現代の生活には重要ですが、バスに乗り遅れたなら、カフェでコーヒーでも飲みながら次のバスを待つ「気持ちの調整」も大事な現代ではないでしょうか?