スイスの歯医者

歯科治療は健康保険適用外

スイスでは、歯医者での治療に関しては、基本的に健康保険適用外です。個人で歯の治療保険などをかけている場合は別ですが、高額な保険料になります。

ただし、子供の場合は、生まれてから3歳になるまでの間に、基本的な健康保険に加えて、歯科矯正保険を追加しておけば、成人するまでの間は保険適用となります。

この場合は、お子さんが歯科矯正を施す際に大きな差が出ます。各保険会社で、自己負担の割合などが変わりますので、基本保険とは別の会社を選択することもできます。

注意したい点は、3歳(一定の年齢)を過ぎてからでは、歯の治療保険、歯科矯正保険には加入できない事です。

育児に追われて見落としがちになりますので、まだ歯の生えていない新生児の時点(子供が生まれてすぐ)で加入するスイス人も多いようです。

隣国へ歯の治療へ

ドイツやフランスの近郊に住んでいるスイス人は、お隣の国へ歯の治療に行く人もいます。保険はもちろん効きませんので、全額自己負担ですが、歯科検診や歯石取り程度だと、スイスの治療費よりも安いですが、近年は少し値上がりしている傾向にあります。

ちなみにドイツでは、健康保険で歯の治療もカバーされるので、羨ましいというスイス人も多いです。

高齢者の歯の治療は時に高額になるので、お隣の国が近ければ、通う人も多々いるようです。

スイス人にとって歯並びは重要

スイスでの歯の治療は非常に高額なわけですが、健康な歯はもちろんですが、歯並びに関してスイス人は非常に気にします。

それは特に就職活動などをする際にも影響があるという認識で、セルフケアをしっかりしてきた人なのか、育ってきた環境までを想像されるということを聞きました。

優秀であり、特別な能力があればもちろんそれが大事ですが、一つの仕事に複数の応募があった場合は、そうした応募者の歯並びも見られるということだそうです。

スイス人の親はそれをよくわかっており、子供の頃から歯科矯正などのケアを施します。

日本人は歯並びが悪い?

日本に滞在したスイス人や外国人が、日本は裕福な国で健康保険もしっかりしているのに、なぜ歯並びの悪い若者が多いのか?ということを聞かれます。

スイスに来るまでは、あまり気にしていなかったことですが、確かに改めて見てみると、歯並びの悪い人が多いように思います。

裕福な環境で育った人でも歯並びが悪いこともあり、大人になってから歯科矯正をする人も増えているそうです。

日本でも同様に歯科矯正は時間もかかり、お金もかかります。親がどこまでケアしてあげられるかは大事なポイントになるかも知れません。

とはいえ、まだ乳歯の段階で矯正をする人はあまりいないので、永久歯に生え変わりだした頃に子供の歯並びや歯茎の下に隠れた歯がないかなど、レントゲンでチェックができます。

近年は、顎の小さいお子さんが多いようで、全部の歯が歯がおさまるスペースが無いのだそうです。そのため、スペースを確保するために抜歯という選択肢もあります。子供にとっては、苦痛でしか無いでしょうが、将来のために幼い頃から歯科矯正をするスイス人が多いです。

最近では、日本でも自分の子供の歯科矯正を始めた頃から、親も歯科矯正を始めるといった例もあるので、昔に比べると増えたのかも知れません。

とにかく、歯のケアにはお金をかけるスイス人。

スイスの物価同様、歯の治療も高いですが、将来の子供のための投資と考えているわけです。