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インタビュー

お寿司の料理教室 TATEISHI

バーゼルでお寿司の料理教室を行うTATEISHIを設立した、立石容子さんにお話を伺いました。
SWN:この度は起業おめでとうございます。まずは簡単に自己紹介をお願いできますか?
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立石さん: ありがとうございます。大阪府南河内出身。大学卒業後、海外添乗員として日本、世界中を飛び回る。ドイツ人の前夫と知り合い、結婚、出産。彼の仕事の関係で渡瑞。スイス在住12年目。ドイツにある日本人女性経営の寿司店で修業をし、現在はバーゼルにあるビストロ クレシェンダのコック。伝統的な家庭料理でお客さまを日本美食の旅に誘う。バーゼルシュタット在住。

SWN: お寿司という、スイス人には認知度も人気もすでに高い日本料理ですが、はじめられたきっかけは何だったのでしょうか?

立石さん: 今日、スイスのあらゆる町のレストランやスーパーでお寿司が簡単に手に入るようになりました。残念ながら、その大半が寿司マシーンで大量生産されたものであったり、何時間も前に作られ長距離トラックで運ばれてきたものであったり、化学調味料や保存料が入っていたり、日本ではありえないレシピ配合だったり。。。
「手作りで作りたての寿司はもっともっとおいしいのになあ。」と常に残念におもっていました。

そういう訳もあって、私は行事など人が集うスイスのアぺロがある度「本当の日本の味を知ってもらいたい」という想いを込めて、いつも手作りの巻きずしを持参しました。「今まで食べたお寿司の中で一番おいしい。」と大人や子供たちから幾度もいってもらううちに、一からきちんとつくる寿司教室をスイスで開こうと決心ました。

SWN:もともと、料理のお仕事をされた経験があったのでしょうか?調理師免許なども取られたのでしょうか?

立石さん: 生まれも育ちも「食い倒れ」大阪。祖母や母親の作る料理は関西独特の素材を生かす上品な薄味仕上げ。そんな恵まれた食環境で育てたことには心から感謝しています。添乗員時代は、日本、世界各地を旅して、郷土料理や一流レストランを食べ歩きました。今回、寿司教室を立ち上げるにあたって、ドイツ寿司店で修行、レシピ作成、クレシェンダ起業コースと調理師コースの両ディプロムを取得。寿司教室運営には当座必要はないのですが、今秋にはレストラン経営に必要なWIRTE PATENTを取るつもりでいます。

SWN:クレシェンダについてご紹介いただけますか?
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立石さん: クレシェンダはスイスに住む「移民の女性」が起業する際に必要なノウハウを学ぶ、バーゼルにある非営利団体経営の学校です。移民としてスイスで生きていくということは、間借り的で、肩身の狭い思いをする場合が多かれ少なかれあるとおもいます。また、出身国によっては移民女性の社会的ネットワークは移民男性に比べて皆無。移民でありさらに女性であるということは、2重苦なのです。
そんな移民女性にスイスで経済的に自立するチャンスを与えたいという想いで設立されました。「移民女性にも事業家になるチャンスを!」「異国から来たことが財産になりうるのだ!」を理念としてかかげています。私は日本人3人目の卒業生です。

SWN:はじめるにあたって大変だったことなどあれば教えて下さい。

立石さん: TATEISHIは2015年、11月27日18時52分に誕生したとても小さな会社です。法律的なこと、事務的なことなどまだまだ勉強、改良中です。大きくて、とてもおもしろそうなイベントの話が時折くるのですが、一人経営なので、決断に苦労しています。

SWN:コースはどんな内容でしょうか?

立石さん: 教室は2つの選択肢。クレシェンダのキッチン付きの部屋もしくはお客様の自宅のキッチンで行います。コースは3つ。にぎり、巻きずしコース。てまり、ちらし寿司コース。手巻き寿司コース。コース内容はお米を炊くことから始まり、玉子を焼いて、魚をさばいて、寿司を巻いて、握って、作品を食べ終わるまで、所要時間は3から4時間です。飲食中には、鮮魚の見分け方、買い物のヒント、日本のテーブルマナーを学んでいただけます。

SWN:実際にお寿司の料理コースを実施して、スイス人や受講された方の反応はどうでしたか?

立石さん: みなさん、自分で初めてにぎった、にぎりたての寿司は、見た目が少々いびつでも、すごくおいしいとおっしゃって、おなか一杯召し上がっていらっしゃいます。

自分でもびっくりしたことは「いい意味でとても厳しい先生。」と言われたことです。勉強のため、現在スイスの料理教室に通っているのですが、スイスの料理教室の先生は生徒さんにはじめからすごく優しく、ご機嫌までとってくれます。ここでは生徒はお客様。反対に私の教室では、生徒さんが家に帰って、同じクオリティーのものを一人で作れるように、真剣に、時には厳しく指導しています。厳密さが和食には欠かせないと考えているからです。反対に調理後の飲食中は、お酒も入りリラックスすることも手伝って、スイス人の先生よりずっと生徒さんに近づき、新鮮でとても楽しいひと時を過ごせると言われました。この仕事には添乗員で培われたリーダーシップ力も役立っているし、関西人ですので笑いをとるのも得意です。

SWN:お寿司用の新鮮なネタはスイスでは手に入りにくいと思いますが、食材、特に生ものの調達は大変でしょうね。

立石さん: 鮨は加工過程が非常に少ない食品です。食材の質イコール味といっても過言ではないので、値段が少々高くても高品質なものにこだわっています。米、のり、わさび、ガリ等々スイス人でも違いのわかる方には分かっていただけます。鮮魚は信用のできるマイスターのいる店を見つけ信頼関係を築いていくことが大事。もちろんドイツ語力とコミュニケーション力もすごく大事です。

SWN:お寿司はベジタリアンにも人気ですが、例えば魚介類が苦手な人向けのメニューはありますか?

立石さん: 生魚が苦手な方には温燻製スモークサーモン、ウナギのかば焼き、ゆでたエビ、炙りなど火の通ったものを準備します。ベジタリアンの方にはおいなりさん、玉子、おしんこ、カッパ、アボガド等こちらも種類豊富に準備させていただきます。

SWN:最後にこれからコースを受講される方、お寿司に興味を持っておられる方に一言お願いします。

立石さん: 寿司教室は家族やお友達と一緒にわいわい言いながら思い出づくりのきるイベントです。もちろんレシピも残ります。次回、自宅でパーティーを開くとき、自分でにぎった寿司で招いた友達をびっくりさせてみるのはいかがですか?

TATEISHIでは寿司教室以外にも、お持ち帰り寿司、出張和食または寿司パーティー、会社のイベントとしても利用していただけます。インターネットショップでは寿司に必要な食材や緑茶をはじめ、将来的には在瑞日本人の方にも需要の高い商品を充実させていきたいとおもっています。現在イベントのボランティアスタッフを募集しています。将来自分もスイスで起業したい、人と交流したい、イベント好き、語学学校で学んだドイツ語(スイス方言?)を実地で試したいという方、興味がある方はご連絡ください。生まれたばかりのこの小さな会社をどうか見守って、応援してください。フィードバックやリクエスト等を送っていただいたり、お手伝いしていただいたり、皆様と関わり合う中で育っていく、そんな会社にしていきたいです。

SWN:ありがとうございました。個人的にも、日本の食文化をスイスに広めてもらえるのは非常に嬉しく思いますし、知識のある日本人がきちんとしたものを教えることが重要かと思います。お寿司はすでに世界中でポピュラーでありながら、各国や地域でその形を変えて進化しています。例えばカリフォルニアロールは、日本で生まれたものではないですが、日本人が食べても美味しいと思います。しかし、本物の寿司を伝えられるのは、日本で育った日本人がなせる技なのではと思います。
それには立石さんがおっしゃる作法なども含まれますし、微妙な味の加減、実際「旨味」などはスイスの人にはわかりにくいと言われますが、お寿司を通して、日本の文化や歴史なども一緒に伝えていけるのが、やはり日本人ではないでしょうか?

今後も是非活躍の場を広げ、頑張ってほしいと思います。
今回はインタビューに答えてくださって、ありがとうございました。


立石さんの企業情報は下記ウェブサイトになります。是非ご覧ください。
Tateishi
Yoko Tateishi Marx
Birkenstrasse 44
4055 Basel
078-405-9203
info@tateishi.ch
http://www.tateishi.ch
Facebook: http://www.facebook.com/tateishi.ch
tateishi-logo


Crescenda
http://www.crescenda.ch/
https://www.facebook.com/Crescenda.ch
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