
健康保険は適用外
スイスでは、歯の治療は基本的に健康保険の適用外ですので、別途歯科治療の保険に入っている場合を除いて、自費での治療となることがほとんどです。ただし、お子さんの場合は、2歳か3歳くらいまでに子供の歯科保険に加入すれば、歯科矯正などの費用も保険適用となります。保険会社によると思いますが、一定の年齢を過ぎたお子さんの歯科保険の加入はできなくなるので注意が必要です。多くのスイス人の親は、子供が生まれてからすぐに歯科保険に加入していて、加入忘れを防いでいるようです。
実際に、歯科矯正が必要な子供さんが、歯科保険医加入しておらず、費用がかかり過ぎて、途中で矯正治療やめてしまった人がいます。スイスでは、歯並びはかなり重要なので、将来のお子さんのためにも歯科保険に入っておくべきと思います。
治療費の提示をしない歯医者
虫歯なのか、歯科矯正なのかにもよりますが、歯医者での治療では、どのくらいの費用がかかるのかわかりません。こちらが聞かなければ、歯科医も代替の費用を提示しないので、後から請求書が来てその値段に驚くことが多いです。
大きな治療をする場合は、セカンドオピニオンとして、別の歯医者にも行って意見を聞くといいのですが、歯科医によっては、ちゃんとこのくらいの費用がかかりますと教えてくれることがあります。
検診や歯石取り、虫歯の治療などは大体の相場はわかるため、いくらかかりますと言われることは少ないです。それでもスイスでは歯科治療は高額です。
ナイトガード、マウスピースの作成
最近では使用している人も多い、就寝中のナイトガード。歯軋りなどで困っている方は、このナイトガードを勧められます。
レントゲンや型を取って作りますが、患者に作るかどうかも確認しないまま、勝手に勧められてナイトガードを作成。1000フラン以上の請求書が来た例もあります。
なぜそんな高額の治療を、患者の同意なしに進めてしまうのか理解できませんが、歯科医なら大体いくら掛かるのはわかっているはず。また、患者が歯科保険に入っているかどうかも知っているはずです。
もちろん必要な場合は仕方ないのですが、とにかく説明が足りないので、あらかじめ確認することが必要です。ひどい場合は、不要な高額治療を勧められて、請求書を見て驚くこととなります。
心配な方は現地語ができる人に来てもらう
スイスでの生活がまだ浅い方は、言葉の不安もあると思います。歯科医のほとんどは英語もできる人が多いですが、専門用語などで聞きなれない言葉もあり、きちんと理解できているかどうか不安です。
都市部は比較的英語のできる医師も多いですが、地方に行けば少なくなります。標準ドイツ語でも聞き取りづらいケースもあります。
ドイツ語やフランス語でも、その人の語学レベルによって、聞き違いなどが生じて希望していない治療をされてしまう可能性もあります。
その場合は、現地語がわかる人に帯同してもらうのがいいでしょう。
スイスに住む日本人の方が、医師とのやりとりを通訳なしで出来る割合のデータを見たことがありますが、思った以上に低いことがわかります。
滞在年数や環境によりますが、日常会話は問題なくても医師との会話は不安で家族に帯同してもらうなどの人が多いそうです。
それと同じくして、電話での応対も現地語でできない人が意外と多いようです。
どんな言語も電話では聞き取りが難しいのと、スイスの方言、スイスジャーマン(ドイツ語圏)がネックです。
医者の予約も電話がまだ多いので、お子さんのいる方は、急な発熱で小児科に電話することもあると思いますが、それ以外は、スイス人の旦那さんにしてもらい診察に行くという人も。
とにかく、スイスに医療は高額ですので、大きな手術や治療の場合は、間違いのないように説明を理解することが大事です。
スイスでは、歯の被せ物をするだけでも保険なしで1000から2000フラン以上します。スイス人にはそれが当たり前となっていて、費用の確認をせずに進められても、まあ、そんなものだろうという感覚でいるので、医師もあらためて患者に費用の確認はしないという状況です。
歯医者に限らず医者に行けば、新たな病気が見つかったりすることがあります。その際は、きちんと内容と費用を確認することをお勧めします。