スイス人の親戚付き合い

絶縁状態の兄弟も

スイス人の友人と集まり、色々と話す機会がありますが、長年付き合いのある友人達とは、お互いの家のことなども良く知る仲です。

スイス人は、最初とっつきにくく、友達作りが外国人にはハードルが高いと言われますが、一度仲良くなるとその縁を大切にしてくれるという傾向にあります。

そんな関係になると、家族のこととかも話すのですが、多くのスイス人の友人達が、親戚や兄弟との関係が薄いという印象です。

田舎に行けば、逆に密な関係である場合もありますが、予想以上に絶縁状態にある兄弟や親子、親戚などが多いです。

会話の流れから、兄弟はいるのか?という質問はよく出ますが、「いるけどずっと会ってないね」という回答をするスイス人が、これまで一人や二人ではありません。

まあ、一度拗れると、血縁関係のある方が根が深いというか、ややこしくなるのはよく聞きます。

スイス人は割とオープンに、そうした家族間の問題を話したりします。

家族関係が明るみに出るのは結婚式とお葬式

一度は招待されたことのある人も多い結婚式ですが、これも家族関係、友人関係が出てしまうイベントです。

誰を呼ぶか?日頃付き合いはあるが、呼びたくない人もいれば、当然呼ばれると思っていた(友人と思っていた)人の結婚式に呼ばれず気まずい関係になったり絶縁したりする人もいます。

結婚式の場合は、主役の新郎新婦が呼びたい人を決めて当然です。スイス人には、親のメンツを、、という考えは少ない気がします。

しかし、結婚式に呼ばれない兄弟もいたりして、相当な確執があるのだろうと思ったことがあります。

逆に、葬儀となると、絶縁状態だった兄弟も来るケースが多いようです。

つい最近、スイス人の友人が急死し、葬儀に行ってきたのですが、彼にはお姉さんがいたのは知っていましたが、お兄さんがいるのは知りませんでした。

葬儀後に彼の奥さんに聞くと、ほとんど絶縁状態だったけど、さすがに亡くなった連絡をすると、葬儀の段取りなど手伝ってくれたそうです。

なにがあったのかは知りませんが、色々と複雑なようです。

親戚付き合いが少ないスイス人

スイス人にもよりますが、結婚して家庭を持つと、親戚付き合いがほぼなくなる人もいます。

上述したように、親類と揉めて絶縁しても、結局親兄弟の葬儀の際には顔を合わせるわけです。

そこで遺産相続などの問題が絡めば、本当にややこしくなるケースも多いでしょう。

逆に、良好な関係だった兄弟姉妹でも、遺産相続で揉めて裁判になるなど、日本でも似たようなものでしょうか。

そういう場合に、これまでの付き合いや信頼が大切になってきます。

あくまで個人的な見解ですが、スイス人の人は親族よりも、関係の深いの友人たちを信頼していることが多いです。

通常は親兄弟に頼むようなことでも、信頼できる友人に頼んでいることが多くあります。

確かに親兄弟よりも、しがらみのない友人の方が、頼りになったりすることはあるでしょう。

仲の良すぎる姉妹

知人のスイス人姉妹は、いつも一緒に行動している珍しい姉妹です。

それぞれ結婚して、子供が二人。

住む場所も同じ街で近所になったので、子供達も学校が同じです。

時には休暇も一緒に行き、共通の友人の誕生日会やBBQには必ず彼女達の姿がありました。

それはそれでとても良いことだと思いますが、最近妹さんの方が離婚してしまい、今まで何から何まで一緒だったものが崩れてしまいました。

近所に住んでいる関係で、逆に気まずくなってしまったとか。

ただ、姉妹は仲良くても、旦那同士はあまり付き合いがなく、全く違うタイプの人だったようです。

もちろん、それは離婚とは関係ないのですが、お互いの家族で仲が良かったわけではなさそうでした。

 

自分が知っている範囲では、男兄弟と父と息子の関係を絶っている人が圧倒的に多いです。

そうした友人達は、絶縁していることはオープンに言いますが、何故なのかはほとんど語りません。

まあ、身内の話は外部にはわかりませんから仕方ないですが、知ったところで何もできないのも事実です。

 

スイス人の親戚付き合いの希薄さと絶縁している兄弟の多さには、ここ数年知ることとなり、驚いてもいます。

それと同時に、親兄弟、親戚が近くにいない、在外邦人にとっては色々考える機会にもなっています。

どこの国でも、身内との関係は難しいものがあるようです。