
4年ぶりに通常開催のファスナハト
2023年のファスナハトも来週のバーゼルでクライマックスです。スタートのMorgenstreichは2月27日の朝4時です。ちなみに、バーゼル郊外やその他の地域のファスナハトは無事終了しています。
昨年の2022年は、オミクロン株の感染拡大から、一旦中止が発表されましたが、その後撤回し、制限付きの開催でした。昨年は山車のねり歩きがなかったり、少し制限をした状態でしたが開催されました。
そう思うと今年は、約4年ぶりの通常開催になります。
コロナパンデミック初年度の2020年においては、バーゼルは中止でしたが、バーゼル郊外の地域では、1週間前だったこともあり、ギリギリ通常開催をした自治体もありました。
この時のバーゼルファスナハトの中止は、バーゼルっ子にはかなりのショックだったのを覚えています。
音楽隊も年間通して練習するわけで、それはもう大事件でした。
マスクも無しで無礼講
スイスでは、昨年コロナ感染防止対策が終了してからは、公衆の場でマスクをしている人があまり見られません。
今は風邪や花粉症と思われる方が、マスクをしているだけと言った印象です。
ファスナハトもマスクをする人が少ないと思われますので、人混みで気になる方はした方がいいかもしれません。
Schnitzelbankとは?面白い?
バーゼルの風物詩として、Schnitzelbank / Schnitzelbängg(シュニッツェルバンク)があります。お祭りの最中も、行列の人が配っている紙切れがありますが、そこに話が書かれています。簡単にいうと、社会風刺を舞台形式でやるものです。舞台といっても小さな狭い部屋を借りて、やるところも多いのですが、バーゼルの方言に加え、スラングのような言葉も飛び交うので、理解するにはなかなか難しいのですが、スイス人にとっても好き嫌いが分かれるようです。
もちろん、人を笑わせる話手の技量によるところが大きいですし、取り上げる内容にもよります。それでも、面白いと思うスイス人と全くつまらないと思う人がいるようです。
地元のTVで放送することもあるので、私も何度か聞いたことはありますが、正直よくわかりませんでした。それは言葉を大体理解できたとしても、何が面白いのかがわかりませんでした。
話に出てくる人物や出来事を知っていないと笑えないことなども多いわけですので、当然です。スイス人が日本の漫才を見ても、何が面白いのかわからないのと同じでしょう。
スイスのコメディ
完全に好みと言えばそれまでですが、スイスのコメディ番組を見ても正直あまり面白いとは言えません。ごくたまに笑えるコメディもありますが、ほとんど見なくなりました。
TVの場合、前述のバーゼルの風物詩、Schnitzelbank(シュニッツェルバンク)とはまた違い、言葉もより分かりやすいのですが、端的に笑いのツボが違うのだと認識しています。
スイス人にとって面白いのだから、それが正解です。
しかし、お隣ドイツの番組で放送されるコメディは、自分はなぜか面白いと思う事が多いです。スイスジャーマンも訛りがあるとは言え、基本は同じドイツ言語です。
ドイツの人たちを面白い人たち、愉快なユーモアのある人たちと思ったことはないのですが、TVで放送されるコメディは、毒づいて面白かったりします。
国民性を表したエスニックジョーク
結構有名だと思うのですが、各国の特色を捉えたエスニックジョークがあります。
ある豪華客船が航海の最中に沈みだしました。船長は乗客たちに速やかに船から脱出して海に飛び込むように、指示しなければなりませんでした。
船長はそれぞれの外国人乗客にこう言いました。
アメリカ人には「飛び込めばあなたは英雄ですよ!」
イギリス人には「飛び込めばあなたは紳士ですよ!」
ドイツ人には「飛び込むのがこの船の規則となっていますよ!」
イタリア人には「飛び込むと女性にもてますよ!」
フランス人には「飛び込まないでください!」
日本人には「みんな飛び込んでますよ!」
かなり皮肉がきいたジョークです。
天国と地獄
スイス人が入っているエスニックジョークもちゃんと存在します。これも有名かと思います。ちょっと差別的と捉える人もいるかもしれませんが、あくまでジョークとして知られているものです。
天国では、、、
コックは中国人で、政治家がイギリス人。エンジニアが日本人で銀行員がスイス人。
恋人がイタリア人で、愛人はフランス人。警察官がイギリス人。
地獄では、、、
コックがイギリス人で、政治家が日本人。エンジニアが中国人で、銀行員がイタリア人。
愛人がスイス人で、警察官がドイツ人。
各国の良い面、悪い面と思われることを表していますが、地獄での愛人がスイス人は、かなりの皮肉でしょう。他国の人からすると、スイス人はつまらないという人が多いのですが、それをエスニックジョークに例えています。単なる偏見かもしれませんが、スイスのコメディ番組が面白くないのと無関係ではないのかなと思ってしまいます。
裏を返せば、スイス人は真面目だということになります。他のエスニックジョークを見てもかなり辛辣です。しかし上手に捉えている気もします。
ファスナハトから話が逸れましたが、地元のお祭りですから、地元の人たちが楽しめるのが一番です。
つまりそれが正しいのです。
今年は通常開催のファスナハト同様、我々の生活も完全に元に戻ってほしいと願います。