若者の待ち合わせ

昔の待ち合わせ場所

今とは違って、ネットもスマホもない時代。待ち合わせ場所は、街中のモニュメントだったり、有名デパートの前の銅像、東京なら忠犬ハチ公前など、定番の待ち合わせ場所がたくさんありました。

スイスでも同じような感じで、定番の待ち合わせ場所が各町にありました。しかし、若い世代、いわゆるスマホの世代は、必ずしもそうではないようで、時間も場所も決めないで、友達に会う事が多いようです。

もちろん人数が多ければ、場所を決めることもあるようですが、今やどこにいてもスマホで繋がる時代。気の向くままに、今街中にいるから、近くにいる人は会おう、という感じでその時にいる場所を伝えて、会うのが普通のようです。

スイスの地元の新聞でもそのような記事を読みましたが、ある街では定番の待ち合わせ場所だった、電話ボックス前。それも今やもう昔の話で、中年の世代の待ち合わせ場所として残るだけだということでした。

固定電話の概念も薄れて

スマホが中心世代となると、What’s upなどのアプリを利用して、メッセージのやり取り、動画通話などが主流となり、電話番号にかけるということをほぼしません。ネットさえあれば、通話もできるので、自分の番号すら知らないという人もいます。

その意味で、自宅の固定電話の回線なども、最近は契約しない人が多いようです。単純に使う事がないわけで、無用の産物です。かつては、インターネット回線を引くために固定電話の番号が必要でしたが、今はそうではありません。一応番号は割り振られますが、通話で使う番号ではなく、あくまでネット回線用の番号です。

そうすると、固定電話の費用も削減できますし、ネットもスマホだけで用が足りてしまう人の場合、固定回線は無意味です。

昔は、友達の家に電話をかけると必ず親が出て、友達につないでもらうという手順でしたが、今は子供の友達の声を聞くこともなく、直接やりとりをしているので、親が子供の友達と会話することも減りました。

パソコンも不要

一部のITベンチャー系の人は、すでにパソコンすら古いと言わんばかりに、スマホ一つで仕事を済ませる人もいるようです。

プレセン資料なども、スマホのアプリで作れますし、そのままスマホから相手に送れば要は足ります。決済も口座の確認も全てスマホ。

写真や動画撮影、オンラインショッピングから音楽鑑賞まで全て同じ端末です。

ある意味便利ですが、怖くもあります。

盗難や紛失の場合は、遠隔で全てのデータを削除できるというのが、もちろんポイントですが、この10数年でデジタル化は随分と進みました。

この先は、量子コンピュータの時代と言われていて、ネットの世界もさらに変わっていく事が予想されます。

処理能力の高いコンピューターが、人々の生活をどんどん変えていく時代です。

とにかく、デジタル化により、「待ち合わせ場所」の概念がなくなってしまったのは、若者だけではないかもしれません。