ロックダウン時期に増えた家庭内暴力

ホームオフィスに、ホームスクーリング

今年の春、コロナウィルスの影響でロックダウンしたスイスでは、親も子供も家に閉じこもる生活が続きました。その結果、家庭内での暴力が増えたというデータが出てきていて、特に親のストレスが、子供に向けられたという残念な結果が出ていました。コロナウィルスの影響で会社の倒産も増え、失業した親もおり、そのストレスが子供に行ってしまう状況は想像できます。外にも出れず、休暇にもいけず、ずっと家にいる状況は誰にとってもストレスがかかる状況です。

ベランダや庭がない家庭ほど、家庭内暴力が起きやすい

研究結果として出ているのが、ベランダや庭がない家の場合、逃げ場を失ってより家庭内での衝突が起きやすいというものでした。確かに、窓を開けることくらいしかできない場合に、外に出れる選択肢が事実上ないわけですから、庭に少し出て気分転換などができる場合とは違います。

子供への暴力が増加

全体的には夏にこうした家庭内暴力の比率は5.5%から5.2%に下がっていますが、子供に対する暴力は、4.5%から5.6%と増加しています。春のロックダウンを経て、夏の休暇時期にまた一緒に過ごすことが負担となり、仕事の環境が変わってしまった人も多いことから、そのストレスが子供に向けられた形です。

低所得の家庭ほど家庭内暴力が増加

また、1世帯あたりの収入差でみると、低所得の家庭の方が、家庭内暴力の割合が多い傾向にあります。不安定な雇用状況や母子家庭など、生活の基盤が揺らいでしまって、溜まったストレスが発散できない状況で起きています。

そうした環境下で、精神科を受診する人も増えていますが、なかなか家庭内の問題を他人に話せないなど、隠されがちです。周囲が気がついて手を差し伸べることができればいいですが、子供の年齢によってもその対応は変わってくるので、難しい問題です。

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