隣人トラブルで訴えられた家族

奇行の目立つ老夫婦

先日、知人の両親が近所に住む老夫婦に訴えられてしまったという話を聞きました。

知人家族は外国籍ですが、スイスの生活にも馴染みすでに3世代目です。

子供達が独立してから引っ越した家でしたが、当初から外国人を毛嫌いする老夫婦に目をつけられていたようで、ことあるごとに文句を言われていたそうです。

知人家族は特に騒ぐこともなく、平穏に暮らしてたのですが、だんだんその老夫婦の行動がエスカレートします。

ある時は、夜中に懐中電灯を持って家の中を覗きにきたり、来客があった時は、特に大きな音も出していないのに毎回警察を呼ぶという行動をとるようになります。

近所では、有名な奇行老夫婦でしたが、誰も関わりたくないので彼らを助ける人はおらず、ついにご主人がその夫婦に文句を言いに行ったところ、「脅された」と言って、地元自治体に相談します。彼らの知らぬところで、何度も自治体にありもしないトラブルを訴えていて、自治体側も対処に困り、「そんなに困っているのなら裁判所に訴えればどうですか?」と、言ったところ、本当に訴えてしまったということです。

裁判所からの手紙

自治体も警察もある程度の状況は分かっているようですが、裁判所から訴えが届いた以上、出廷しなければならないそうで、とんでもないストレスを高齢の両親が抱えることになったそうです。

話を聞く限り、警察も自治体もあまり真面目に取り合わなかったという感じがして、どちらも対応が不十分だったといえます。

隣人とのトラブルは、残念ながらよくあることで、今回のように一方的に特に理由もなく文句を言われるケースでは、個人同士の話し合いがほとんどできません。

相手の思い込みから、起きてもいないことを警察に通報されてはたまりません。

現在引っ越しも考えているそうですが、夫婦で意見が割れているようで、解決策は見つかりません。

挨拶は大事

基本的なことですが、近所の人との交流は田舎へ行けば行くほど重要になります。

新参者、しかも外国人ならすぐに目立ちますので、日頃から挨拶をするようにしておけば、相手も警戒心がなくなり、世間話をするようになります。

最初から拒絶している態度の人もいますので、そういう人とは距離を置くか、仲良くなった近所の人がいれば、どんな人なのか尋ねてみるのもいいかもしれません。

知人の両親は大変気の毒ですが、今の状況を聞く限り、引っ越し以外の解決策はないでしょう。

 

昨今、欧州では政治的にも右派の勢いが強く、たびたびメディアでも報道されています。

戦争の影響や大量の移民も毎日の生活を脅かしていると感じている人も多いので、スイスに住む外国人としても無視できないテーマです。

そうした話をスイス人の知人にすると、「君は日本人だから、そういう対象ではない。関係ないでしょ。」という人がいますが、裏を返せば他の人種は差別するということにもなります。

その辺は、外国人という立場で生活してみないと、理解できない範疇かもしれません。

何人であっても、差別や偏見なく暮らしたいものです。