職業訓練生の勤務態度

スイスの職業訓練制度

このサイトでも何度か紹介してるスイスの優れた職業訓練制度ですが、一番早くにこの職業訓練を始める年齢は15歳頃となります。日本ではちょうど中学を卒業したくらいの年齢です。

つまりまだまだ子供というわけですが、スイスではそれでも社会に出る第一歩を踏み出します。これについては、早すぎるという意見もありますが、スイスのシステム上、高等学校や大学に進まない場合は、何かしらの職業の訓練を始めることになります。

確かにそのせいもあって、スイスの15、16歳の若者は日本の同年代に比べても大人びている気もします。4年間の訓練を終了できれば、その職業の正規社員として立派な社会人になります。

しかし、やっぱりまだ社会に出るには早すぎるような訓練生が多いのも事実。

郵便配達の訓練生

スイスでは、毎年夏からが新学期ですが、中学を卒業した直後の場合、職業訓練も同様に夏から始まります。

この時期、近所でも新しい訓練生を見る機会があります。例えば、郵便配達の訓練生は、最初は先輩について、自転車で郵便物を配達しているようです。

冬頃になると、電気スクーターに乗って、一人で配るようになる子もいるようです。

ポストに投函するだけなら、心配はないですが、書留などの受け取りの署名がいる場合は、スマホのような端末にサインをしてもらいます。

先日ちょうど書留が来たので、署名を求められたのですが、彼の持っている端末は、おそらく支給されているスマートフォンでした。

顔を見ると、明らかにまだ子供っぽさが抜けない訓練生の子です。挨拶もまだぎこちない感じで、それは気にならないのですが、気になったのはそのスマートフォンのスピーカーから流れっぱなしの音楽

その端末にサインをするのですが、さすがに消してから差し出すだろうと思ったのですが、音楽は鳴りっぱなしの状態でサインしました。

一人で黙々と配達業務をしているのなら、音楽が鳴っていても誰も気にしませんが、さすがにサインをもらうために支給されたスマホ端末から音楽が鳴り響いているのはどうなんでしょうか?

正直自分にはどうでも良いことですが、この先、彼がどこかで注意を受けるのか、注意されないまま時間が過ぎていくのか気になります。

挨拶もちゃんとしたし、礼儀も正しい感じだったので、すごく違和感を感じましたが、今の世代では普通のことでしょうか。

確かに、大きな荷物を配達中のワゴン車からも、よく大音量の音楽が流れています。

スイスのサービス業

日本からスイスに来る人は、お店などでも店員さんの態度があまりにも冷たく感じ驚くようですが、それでもこの15年くらいの間に、だいぶ教育されてきたと思います。

お客さんへの声かけや、接し方など、明らかにマニュアルがあって研修をしているなと思うお店も増えています。

経験を積んだ販売員の方などは、割と自然にできているようですが、それでも日本のような接客は期待できません。

その辺は、基本的にサービスを提供している側と、されている側の意識が日本と違うからでしょう。

レストランでもウェイターやウェイトレスのタイミングでした注文は取りに来ませんし、逆に手をあげてこちらから呼びつけるのはマナー違反にもなり得ます。

お客様は神様ではなく、こちらが提供するサービスに対価を払っている人たちということです。

長年住んでいると、ひどい対応もけっこうありますが、最近はもうあまり気にもしていません。

それでも、前述の郵便配達の子のように、社会に一歩踏み出したばかりの年代の人たちが、そんなゆる〜い感じで仕事をしていくのかと思うと、サービスを受ける側としては、やはり改善してほしいなあと思います。

常識の範囲内なら、過剰なサービスなど不要で、何も言いませんが、せめて相手が不快に思わないように勤務してほしいところです。