冷え込むスイスと暖房費

今週はまた冷え込むスイス

元旦に気温が20度もあったところがある暖冬のスイスですが、このまま春が来るはずもなく、また寒くなっています。今朝は自分の自宅周辺では、マイナス4度くらいでした。どうやら、日本でも冷え込みが厳しくなっているようですが、年々寒さに弱くなっている気がします。

つい先日、昨年の光熱費の明細が来て、その内訳を見ていたのですが、2021年の夏から2022年の夏までの内訳なので、ロシアの戦争前、つまり、まだ光熱費が上がっていない頃の明細でした。つまりこの冬の暖房費は入っていません。その意味で、来年の今頃来るであろう光熱費の明細が、どんな数字になっているのか怖くもあります。

我が家は、床下に暖房のパイプがあるようで、実はほとんどの部屋で暖房をつけなくても冬を越せるという、スイスで暮らしながら何とも信じ難い環境で暮らしています。実際、明細を見ると、食卓とリビングのある暖房を使っているだけで、他の部屋は使用数値がゼロでした。

それでも、何かしらのメンテナンスで、真冬に暖房が止まった時は、家の中でダウンジャケットを着ていました。

日本の家は寒い

セントラルヒーティングのない日本の家は、寒いです。北海道などの雪国はスイスと同じように、家の中の暖房設備が整っているのですが、親戚の北海道の人が、冬場に本州の親類の家に遊びにきて、風邪をひいたという話は昔から聞きます。

マンションはまだ良いのですが、特に日本家屋と呼ばれるような古い家は寒いです。それそのはずで、日本の昔の家は、夏仕様になっているとかで、冬の気候はあまり考慮されていなかったそうです。今ではさすがに新築の住宅でそれは無いでしょう。それでも寒く感じてしまう日本の冬の家。

そんなイメージなので、スイスで暮らす我々の生活を、極寒の地で生き延びている日本人として、驚かれることもしばしば。確かに外に出れば、マイナス7度とか10度とかは毎冬ありますので、極寒ではありますが、家の中は暖かいです。Tシャツでも良いくらいです。

乾燥した空気が大敵

よく日本から来る人の話で、冬場の乾燥した空気に悩まされる人が多いようです。夏はカラッとして、ジメジメした日本のような湿気は少ないのですが、冬はとにかく肌が乾燥します。今では、慣れてしまったので、カルキ分を多く含む水でシャワーを浴びても何ともありませんが、当初は確かに冬場は肌がカサカサに。どんだけ保湿クリームを塗っても、あっという間に乾いていました。

乾燥いた空気と空気とカルキ分多めの硬質の水。この二つが合わなくて、日本に帰ってしまった人もいます。そのため、加湿器が欠かせない人も多いです。それは日本人に限らず、スイスの人も肌が弱い人や乾燥する人はいますので、加湿器はよく見かけます。

今後の暖房費は可能な限り節約

話を暖房費に戻しますと、スイスも暖房費の高騰は避けられず、政府も暖房を使いすぎないようにと警鐘を鳴らしています。お隣ドイツでは、月平均1000ユーロほどの年金生活者が多く、その人たちの暖房費、光熱費が、2倍から3倍になったという話も聞きました。暖房費の精算時期などわからないこともありますが、すでにそんな額の請求が来ているのかと思うと、他人事とは思えません。しかも毎月1000ユーロの年金で、光熱費が3倍なら、残りはほとんどありません。食料品も買えなくなっている高齢者が増えているのだとか。

これについては、さすがに政府も何らかの手を打つそうですが、光熱費がまさかこんなにも高騰するとは思っていなかったでしょう。世界的にそうですが、ロシアの天然ガスに頼っていたドイツは特に深刻だそうです。

スイスもおよそ3割増しで、光熱費の計算をしておいてくださいとすでに管理会社などから通知が来ています。ちなみに、日本では、電力会社から無制限の電気料金の高騰の可能性があるというような手紙が来ている人もあるそうで、恐ろしい手紙だと知人は話していました。これからどれだけ光熱費が上がるか、予想できないとのことです。

ガソリンの高騰はすでに経験していますが、こちらは一般家庭の人なら、車の使用をやめるか、減らすかで対策できます。車を手放せば、環境にも良いし、保険や維持費、自動車税、ガソリン代も節約できます。しかし、多くの人が生活必需品となった今、なかなか難しいでしょう。

もう10年以上前になりますが、スイスを寒波が襲った年に、ある近所の家族が、全ての部屋の暖房をマックスにして使用し、そのまま春になるまで忘れていたとかで、暖房費だけで何と6000フランもの請求が来たとかで、目眩がして倒れそうだったということです。

しかし、このウクライナ戦争のおかげでそんな額の暖房費が来てもおかしく無いかもしれません。特に大きな一戸建ての立派な家は、請求額もかなりのものになりそうです。