ロックダウン中に増えた子供のスマホ使用時間

スイスの若者がスマートフォンを利用する平均時間

 普段どのくらいの時間スマートフォンやタブレットを使用するのか、実際に測ったことのある人はあまりいないと思うが、スイスの若者が1日で使用する時間は、平日で2時間半、週末で3時間半だそうだ。この数値は、自分が思っていたよりも少ない。
 この数値が正確であるならば、スイスの若者は学業に重きをおいているということだが、実際に授業や宿題でスマートフォンを触る時間は少なくなるのが平日。週末は、家族との時間を優先して、外でスポーツやハイキングをする場合は、利用時間が少なくなるかもしれない。しかし、毎週末何処かに行く予定のある家族や若者もいないかもしれないので、この週末1時間の増加は少ない気がする。

ロックダウンで臨時休校

 3月中旬から5月中旬まで、小中学校は臨時休校となり、オンラインによる授業が始まった。最初の1週間は、学校や先生側も準備に追われ、なかなか始まらなかったが、2週目からは、課題の提出やビデオ会議が始まり、我が家の中学生もほぼ1日中パソコンに向かって、課題をこなしていた。
 当初、臨時休校と聞いて、スマートフォンやゲームの時間が増えてしまうのではないかと心配していたが、課題の多さに、さほど増えた印象はなかった。ただし、スマートフォンのアプリを通して先生とのやりとりもあるので、スマートフォンを触る時間そのものは確実に増えたのは実感した。

 しかし、勉強の合間に休憩がてら、遊びの目的でスマートフォンやタブレットを使っていても、わからないような状態になり、唯一コントロールできたのは、プレイステーションなどの、TVを通して遊ぶゲームくらいだろうか。

学校再開で更に使用時間が増えた

 臨時休校の間、オンライン授業のためパソコンのスキルは確実に上がったと思う。好きな子も嫌いな子もやらざるを得なかった課題で、パワーポイントやワードといったツールを使いこなし、それらをメールで提出という、仕事の現場と変わらない方法で授業が進んだ。
 学校が再開してからは、今年の成績評価が、ロックダウン前までの成績とあってテストも少なめ。そして、モチベーションも少し下がり気味だった気がする。実際、ロックダウン中よりも、気が緩んでしまった感じはする。
 そのことが影響してか、ゲーム時間、スマホ時間が逆に増えてしまった。ある程度、コントロールしていたが、それでも気になったので、ある週末に使用時間を確認できるアプリで確認すると、スイスの若者の平均を遥かに上回る時間になっていて驚いた。これはちょっと多すぎる。日曜ということもあり、ほったらかしにしていた感は否めないが、まだまだ子供なので、監視が必要だ。

スマホやゲームの規制もそれぞれ

 どこの家庭でも一度は子供のスマホ使用について議論をしただろうとおもう。時には、納得できない子供と喧嘩も起きる。どのように対応すべきか、注意すべきか、または禁止すべきなのか?これは本当に家庭環境と子供、親の躾によるだろう。高校生になると、もうその辺は自己責任でよっぽど生活に支障が出ない限り、自分で管理すべきことだが、注意を難しくしているのは、親自身もスマホに夢中になることがあるからだ。パソコンなどは、1日中付いている家庭もあるし、ゲームをする親もいる。

 知人の家庭では、父親がゲームファンで、それをみて子供もハマってしまった。なかなかゲームをやめない子供に怒鳴り、ゲーム機のコードを抜いてしまったそうだ。
この家庭の問題は、地下の子供部屋にゲーム機とモニターを設置したことにある。リビングにTVとゲーム機があれば、他の家族がTVをみている最中にゲームができないが、この場合は、完全に間違った自由を子供に与えてしまった結果だろうと思う。親も反省しているようだった。

 まずは、家庭内のルールを決めておくおくが大事で、宿題をやったから、今日はゲームをしていいとか、週末以外はゲームをしないとか、一つでもいいので、ルールを作る。たまには例外も認めても個人的にはOKだと思う。なかなかバランスが難しいかもしれないが、子供も成長していき、興味の対象も変わって行くので、親が見ているしかない。ただ、監視という状況ではなく、一緒に話をしたり、日頃のコミニケーションが結局大事なのかなと思う。親も間違いなく、ロックダウン中にスマホの時間が増えているわけで、子供を見ながら自分の問題と置き換えて一度考えてみると良い。