昔のクラスメイトと偶然の再会

ドイツ語学校のクラスメイトト

もう20年近く前の話になりますが、スイスに来たばかりの頃、ドイツ語学校に通いました。学校には、日本人もいましたが、自分のクラスにいたのは、タイ、ドミニカ共和国、ロシア、ベラルーシ、トルコ、モロッコ、アメリカなど、国際色豊かでした。その中でも、モロッコの女性はドイツ語の習得がすごく早くて、母国語はアラビア語ですが、学校ではフランス語を第2外国語として学んでいるので、すでにスイスの公用語の一つをクリアしていました。ほとんどバイリンガルだということで、フランス語圏であれば、すんなりスイスの生活にも馴染めるのでは?と異文化の日本から来た自分はよく思っていました。

モロッコといえば、カサブランカやマラケシュが有名で欧州からは休暇で行く人も多くて人気です。イスラム圏の国の中でもスンニ派が多くて、比較的オープンな国です。アフリカでありながら、西洋の影響も大きく受けているので、スイスのような西側諸国の文化にも違和感なく溶け込んでいる印象です。フランス語が話せる人が多いのも理由でしょうか。

偶然の再会と記憶力

そんなモロッコ出身の彼女は、休暇でスイス人の旦那さんと知り合い、結婚してスイスに移住しました。
実は10年ほど前に、どこかのショッピングモールで偶然出くわし、連絡先を交換したのですが、どこに住んでいたかも忘れてしまい、そのままでした。

しかし、先日隣町のスーパーの駐車場で車を降りて、荷物の整理をしていると、ニコニコしながらこちらに近寄ってくる女性がいて、自分の名前を呼ばれて、「あっ!」 と思わず言ってしまいましたが、同時に彼女の名前も記憶の底から呼び戻されました。
彼女がいうには、2週間前に自宅で日本の話題になり自分のことを思い出したそうで、SNSなどを使って探してくれたそうですが、そもそも、ちゃんとした名前のスペルもわからないし、見つかんないなあ、と思っていたそうです。
それが近所のスーパーの駐車場に突然現れて、ビックリ。

同じ年の子供がいることや、仕事場の話、とにかく相変わらず早口で話が止まらない感じでしたが、元気そうで良かったと思いました。
それにしても、彼女の記憶力は驚くばかり。自分のことはもとより、当時のドイツ学校の話やクラスメートのこととかも良く覚えていて、自分の記憶を呼び覚まさせてくれた日でした。

記憶力といえば、日本に一時帰国した際に友人と話していると、「よくそんなことを覚えているな!」と感心されることが多いですが、おそらく、最後に日本に住んでいた頃の記憶は特に鮮明で、当時のことは昨日のことのように思い出せます。
毎日忙しい日本の友人たちは、昔のことは、ほとんど記憶がないのだろうと思っていましたが、日本に住んでいる友人の中にも、高校生の頃のことを鮮明に覚えている友人もいます。

なんとなく、人生の転換期の記憶は強く残るものなのかと思っていますが、それがその人にとって印象的な瞬間であったとしたら、その記憶は一生残るのかもしれません。