海外生活・移住を目指す方へ

何十年たっても自分は外国人

海外生活が長くなると、現地の人もスイス人と同じ扱いをしてくるようになります。普通に道を尋ねられたりしますし、自分が日本人だからと言って、わざわざ別のテーマに切り替えないで接してくれるのは嬉しいことです。人によっては、お前はもう半分スイス人みたいなもんだろ、と言ってくれる人もいます。それでも自分は外国人として暮らしている意識は何年経っても抜けません。2世となると話は別ですが、日本で教育を受け、育ってきた日本人としては、第2の故郷となることはあっても、やはり母国ではないのです。スイスの国籍を取得することはおそらく可能でしょう。しかし、日本は重国籍を認められていませんので、現地の国籍を取得する際は、日本の国籍を返上しなければいけないのですが、ある年代までは、スイス人との婚姻により、スイス側から貸与されたスイス国籍は日本側も認めていますので、実際には重国籍の人は存在します。アメリカや他の国でも、重国籍の日本人は存在します。

日本のパスポートの信頼度

日本のパスポートはスイスのパスポートと同様に、世界でも最も信頼のおけるパスポートとして、毎年信用ランキングが発表されますが、海外に住んでいても、日本のパスポートで困ったことは一度もありません。日本の発行した運転免許証でさえ、書類を出せば書き換えだけでスイスの運転免許証が取得できます。アジアでは日本だけだそうです。他のアジアの国の人は、スイスの自動車学校に通い取得しなければいけません。

また、他のアジアから来た友人は、自分の国籍及びパスポートで、不便なことがたくさんあり、友人はお隣ドイツに買い物に行くにもビザを取得しないといけないなど、小さなことですが面倒なようでした。それを聞くと、どれだけ日本のパスポートが信頼を得ていて、その恩恵を受けているのかを思い知らされます。アジア出身の友人はその後、スイスのパスを取得しましたが、そうした事情でスイス国籍取得を選ぶ人も多いようです。

国籍のことを考えるまでには、相当時間を要しますが、まずは海外に興味を持っている人が、どんな心構えでいたらいいのか、自分の経験も踏まえて少し書いてみました。他にも参考になりそうなことがあれば、また記事として書いていきたいと思います。