ジュネーブだけ厳しいコロナウィルス感染防止の規制

26あるカントン(州)の中でも感染者の多いジュネーブ

ジュネーブのレストラン、飲食業者が抗議です。ジュネーブでは、レストランなどの飲食業界が、州のコロナ規制により営業をほぼ閉鎖しています。他の州ではまだ営業している飲食関連ですが、ジュネーブは感染者数が多いということで、州の独自規制をしています。
これに対して、不公平だという声も多く、ジュネーブの飲食業界の人たちが抗議をしているニュースを見ました。確かに、どうしても必要な人は、他の隣の州などに食事に行ってしまうし、規制の意味がどこまであるのか疑問です。そもそも、当初から指摘されていた、スイス政府が、各州に規制のさじ加減を任せていることに苛立っている人が最近多いように思います。

スイス政府の対応

スイス政府の対応は、第1波においては、そこそこ評価が高かったものの、第2波については、緩すぎる規制に少し信頼を失いつつあります。地方自治の観念が浸透していることは非常にいいことですが、こうした非常事態においては、やはりスイス政府が一律に規制をするべきなのではないかなと思います。その良い例がマスク着用義務で、最初はスイス全土でバラバラの対応を各お店がしていましたが、なかなかマスクをしないスイス人に対し、スイス全土、及び中学校以上でのマスク着用義務に至りました。

国民に強制をするな! 自由を奪うな!というスローガンで、デモを行なっているのはスイスだけではないですが、未知のウィルスで実際に死亡者も出ている今年の新型コロナウィルスです。やはり、基礎疾患のある方や体の弱い人にとっては危険です。ワクチンが浸透し、終息になるまでは、自由も我慢しないと永遠に終わりがきません。感染が広まれば、病院のベッドが埋まるわけで、必要な手術などが延期になったりしますし、医療従事者の負担は増すばかりです。

健康と経済

こうした状況で、ジュネーブの飲食業界の人たちが声を上げるのも当然です。規制をしてもそれなりの保証がないと、コロナウィルスが収束した時には、もう経営が成り立たなくなっている可能性もあるからです。すでに閉まっているお店もありますが、そうした経済的損失と国民の健康を守らなくてはいけないスイス政府です。

ただ一方では、今年前半の企業倒産数が前年に比べて少ないというデータも出ていて、これはコロナによる援助金により食いつないでいる小さな企業があるということです。つまりコロナが終息すれば、一気に倒産となる企業がかなりの数あるということです。実際にはコロナとは関係ない理由で倒産しかけていた企業も保証を受けて生き延びているという実態はあまり表には出ませんが、コロナ後のドミノ倒しが起きても不思議ではありません。

第2波の死亡率の高さ

こうしたことを当然スイス政府も把握しているとは思いますが、年末年始に向けての経済対策とコロナ対策の両方を進めなければいけません。第2波の感染者数1万人超えを2日間記録したスイスですが、現在は5000名前後です。半減したかに思えますが、他国と比べてもまだ高い数値で、第2波は死亡者が多いと言われています。個人的にも知り合いが50代で感染し、入院する間も無く、あっという間に自宅で亡くなっています。ここ数日は、ようやく効果の実証されたワクチンの準備ができるというニュースも出始めています。感染者数1日5000名を少ないと勘違いしそうですが、まだまだ気を抜けない気がしています。