皆が自宅待機になって気がつくこと

自宅待機になって

 新型コロナウィルスの影響で、学校の臨時休校、ホームオフィス、自宅待機の要請が出され、2週間ほど経ちますが、この変化は全ての人に影響を及ぼしました。共働きで子供の面倒をどうするか大変な局面に立たされた人も多いですが、2週間そうした環境で過ごしてみて、色々と気がつくことも多いです。

家族の時間と遠隔授業

 まずは、家に小学生なり、中学生の子供が1日中いるということ。今では不要な外出であるため、外で友達と遊ぶこともできません。
 もちろんこの臨時休校は休暇ではなく、遠隔授業が行われていますが、最初は親も子供も戸惑いました。
だんだんと学校が指定したシステムを使いこなしていくうちに、子供がどのように課題に取り組んでいるのかも少し見えてきます。当然、学校での様子とはまた違うでしょうが、クラスメートとの共同作業では、連絡を取りあい指示を出したり、一緒に考えたり、同じプラットフォームでパワーポイントを作成したりと思ったよりたくさんの課題をこなせます。先生にも、メールや専用のチャットで質問もできます。
 パソコンとインターネットの進化で、こうしたことが可能であるのは本当に30年前は考えられませんでしたが、技術の進歩が功を奏しています。また、親もホームオフィスの場合は、家族の時間も増え子供と話す機会も増えます。これはこれで、思春期や反抗期だと、なかなかストレスに感じる家庭もありますが、話す場は自然と設けられたことになり、これまたいつもはない機会です。

電車やバス、飛行機、自動車の利用が減る

 自宅待機で、あまり外出もしなくなると、空気が綺麗になったとか、近くの川がきれいになったと報告されています。排気ガスが減っているせいでしょう。しかも、車より多い排ガスを出す飛行機も減便や欠航ですから、空の方も空気がきれいになったようです。これはこれで、環境問題がテーマになった昨年を考えると、大変な時期に良いことが一つできたような気もします。できたというよりは、いかに普段排気ガスが多いかを気がつかされたわけです。

忙しくなった職種と営業停止で先が見えない職種で差が大きい

 全体的にみた場合は経済損失は相当な額です。しかし、一方では医療の現場や介護の現場は、疲弊しています。人が足りないのです。次から次に運ばれる患者を見る医師や看護師の方々は、かなりの限界に来ています。その反面、飲食業は営業停止で先行きが見えず、これから倒産が相次ぐだろうという予想がされています。銀行も緊急時として、特別融資(無利子)で対応するそうですが、それまでに体力が持たない企業も出て来ます。本当に時間との勝負にもなります。

移動の制限をされた人々

 普段通勤通学、旅行や里帰りで移動をしていた人たちが、いまは家で新型コロナウィルスの感染拡大が収まるのを待っています。ホームオフィスで、どれだけの仕事がこなせるか、ある意味証明してしまった人もいるようで、今後、たくさんの人がホームオフィスを継続するのではないかと予想している人もいます。確かに、良いところがあるのでしたら可能性はあります。家事の分担や子供の面倒など、また車での通勤がなくなり、排ガスも減るかもしれません。
 今回自宅待機になって、良いことばかりではないですが、そうした生活の質を考える機会にはなっているのだと思います。ホームスクールやホームオフィスが意外と良い、と感じた人も少なからずいるようですので、あながち継続する人がいてもおかしくはありません。
 我々現代人は、今まで何をそんなに忙しくしていたのか?そう思えてしまうくらいの変化です。