スウォッチグループの会長、ニコラ・ハイエク氏は、海外投資家の株式取引の仕方に疑問を感じ、株式市場での上場廃止を検討していたが、保留となった。

 FX取引などで、個人投資家が容易に株式の売買が出来るようになってからは、個人投資家だけではなく、企業までもが単なるマネーゲームの感覚で株式を取引する事に、ハイエク氏は疑問を感じていたようだ。敷居が低くなった分、その企業に対する愛着やこだわりを持って、株式を購入する人も減ったのかもしれない。その企業の活動や方針、社会貢献度などは全く興味がないと言う投資家も多い。

 スウォッチグループのハイエク氏は、スイスの時計産業の救世主的な存在で、長い時間をかけて、スウォッチを甦らせ、オメガなどの高級腕時計メーカーを次々と買収し、傘下に収め成功した。そんな彼の人生そのものであるスウォッチの株を、いとも簡単に手放してしまう投資家たちへの気持ちは今も変わらない。