このほど、スイス政府がMicrosoft社と、政府システムについて、3年間のITメンテナンス及びサポートなどの契約を、入札無しの随意契約で行った事に対して、フリーソフトウェアを扱うオープンベンダー18社が異議を申し立てている。

 この数年で誰でも利用が可能で、かつ高機能のフリーソフトウェアの市場は大きく成長し、Microsoft社の製品にも引けをとらないくらいにまで成長している。にもかかわらず、スイス政府は代替製品がないとして、今回の契約を正当化した。こうしたフリーソフトの存在意義は、大企業による独占を防ぐ事と、コスト削減という経済危機のこのご時世には非常に重要な要素を含んでいる。

 もっとも、スイスだけに限らず、他国でもMicrosoft社がほぼ独占状態で契約を獲得するケースが多い。フリーというだけで競争相手にはならないと言われたのも同然で、この辺がオープンソースを扱うIT企業を怒らせてしまった大きな理由かもしれない。 ITの世界においても中立が求められている。