新学期

スイスの学校の新学期がスタートした。そわそわしている新1年生、幼稚園生も多い朝だろう。
子供よりも親の方がそわそわしているだろうか?

プレイグループから幼稚園、幼稚園から小学校、小学校から中学とそれぞれが大きなステップで、子供達の成長を見ることのできる貴重な時間でもある。
特に幼稚園から小学校に上がる境目は、なかなか大きな一歩かもしれない。
これから社会に出ていくために、覚えなくてはいけないたくさんのことを学び始める第一歩。

もう数年も前の話になるが、愚息が新1年生になった日、担任の先生が言った一言が忘れられない。
「クリスマスまでに子供達は文章を読めるようになりますから、楽しみにしていて下さい。」
8月の中旬に学校が始まり、クリスマスまでは4ヶ月ほど。スイスの子供達は、幼稚園の段階では読み書きはほぼやらない。年上の兄弟がいる子は、すでに読める子もいるが、基本的には文章を読むというのは小学校から。
そんな一言をほとんどの親が半信半疑で聞いていたはずだが、これがクリスマス時期になると、本当に読めるようになっていたので感心した。単語の発音も正しくできていた。

画像は当時もらってきた1枚のプリント。この時はちょうど数年前から始まった、単語の読み方、発音の仕方の方法を大胆に変えた時期だった。
その方法とは、例えばアルファベットの「A」だったら、ドイツ語では、「アー」と発音している口の形のイラストを子供達に見せる。こういう形で発音するのだよ、というわけだが、多くの親がそんなことしなくても覚えられると内心思っていた。自分たちが経験していないことは、不要だと言わんばかりに。

それでも、この方法でクリスマスまでに子供達が読めるように、正しく発音できるようになっているわけだから、新しい学習方法は成功していたわけである。もちろんのこの方法でなくても、学習は可能なはずだが、学習速度と理解度は深まったように感じる親も多かった。

スイスでは各カントンで学習システムも違う上、多言語。様々な方法が取り入れられ、それでスイス全体の学習レベルを保つという、非常にハードルの高いことをやっているように見える。
常々、教育の大切さを子供を通して感じる。