犬のリード着用義務。森の中で、4月から7月末まで。

小鹿などの野生動物の保護

犬を飼っている家庭では、知っている方がほとんどかと思いますが、4月から7月の間、スイスではどの地域でも森の中で犬を散歩させる際にリードを着用しなければいけません。地域によりますが、森の周辺も50mから100mのエリアは同じルールです。違反した場合は、100フラン程度の罰金になります。犬種による区別はありません。

これは、森の中に住む動物の保護のためで、ちょうど小鹿や猪の赤ちゃんが生まれる時期でもあります。犬種にもよりますが、犬の狩猟本能が目覚めて、そうした動物の赤ちゃんを襲ってしまう可能性があるからです。実際に毎年そうしたことは起きています。

森から飛び出してきた鹿

鹿は、夜か明け方に森から出てきて、人のいない原っぱを歩いているようですが、昼間は森の奥に隠れています。それが、ある知人の犬が森に入ってしまい、鹿の匂いを辿っていった結果、普段は出てこない時間の昼間に森から飛び出してきたことがあります。そして、その後を追うように、犬も出てきて鹿を追いかけます。

生まれたばかりの小鹿を守るために赤ちゃんは森の奥に残し、犬の気を引くために親鹿はわざと森を飛び出してきたようです。幸い、飼い主が犬を捕まえて最悪の事態は起きませんでしたが、実際にこういうことが起きてしまうので、リードの着用は義務化されています。

マナーの悪い飼い主

残念ながらマナーの悪い飼い主はいます。数年前に、森の中で遭遇した犬がリードなしで、うちの犬に突進してきました。幸い引き離して、怪我はなかったのですが、細い森の道ですれ違うのにはスペースがなく、急に出てくると犬も人間も驚いてしまいます。その際、相手の飼い主にはかなり文句を言いましたが、今日は暑かったから仕方ないと、リード着用とは関係ない言い訳をしていました。

うちの犬はしつけができているから関係ないとばかりに、平気で春の森の中をノーリードで散歩させている人もいますが、普段見かけない小動物に遭遇した場合に、犬がどう行動するかの保証はありません。それに、犬を怖がる小さな子供に近付いたり、他の人に迷惑をかける可能性もあるので、リード着用はマナーとして重要です。

犬には寛容な国スイスですが、こうしたルールも厳しいわけです。犬を飼っていない人でも、犬の世話を頼まれることがあるかも知れませんので、覚えておくと良いかも知れません。