スイスの麻薬対策

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最近日本のニュースをにぎわしている麻薬所持で逮捕された元野球選手の話。
スイスとは全く関係のない話だが、スイスでの麻薬対策を聞くと最初は皆驚く。
スイスのテレビでは何度も紹介されているので、知っている人も多いが、スイスでは重度の麻薬患者(ヘロイン患者)に、ヘロインもしくは同じ作用のあるメタドンという薬と清潔な注射器を配布している。

この案では、麻薬患者による犯罪を減らし、不衛生な注射器によるHIV感染の防止、そして、薬を売れない密売組織の摘発にも効果がある。
まず決定的に日本と違う点は、重度の麻薬患者は薬を断ち切ることがほぼ不可能だということを前提に実施している。つまり、世界的に有名なスターでもない限り、周りの協力や資金力がない場合、断ち切るのはまず難しいという考え方。
逆のケースでは、非常に裕福な麻薬常習者は、定期的に純度の高い薬物を入手して、使用し続ける経済力と機会があるため、普段はいたって普通の生活者であることも多い。常に純度の高い薬を確保できるため、薬が切れて禁断症状になることも少ないようだ。彼らは社会的にも地位のある高収入の層であることが多い。

しかし、日本では大麻/マリファナを持っていただけで大騒ぎになるし、一生懸命麻薬患者を更生させようとして失敗している。
確かに他国に比べて、日本は麻薬の問題が少ないと思うが、間違った認識や対策に走っているようにも見え、これからも日本では麻薬が蔓延していくのではと感じる。
もちろん、興味本位で薬物などに手を出さない方がいいし、そんなこととは無縁の人たちが大半であろう。
それでも、世界にはオランダのように大麻が合法の国もあり、認識の違いがあるのは明らか。また、タバコやアルコールの方が中毒性が高く、事件や問題を起こしやすいと考えている人も多い。

上述のスイスの麻薬患者にメタドンを配布する施設があることは、他の国に比べても珍しい試みかもしれない。いくら成功しているからといっても麻薬患者がいることには変わりはないし、実際に自身の住む街にもそうした施設があり、麻薬患者たちがたむろする場面を毎日ように見かけ、あまり気分のいいものではない。
彼らは薬物を配布されているため、比較的おとなしく、一見落ち着いているようには見えるが、一般の健康な人のような雰囲気とは異なる。
しかし、薬物配布により、ある程度コントロールできている麻薬患者なのだと思えば、不思議と警戒心は弱まる。

全く真逆の方策をとることで、成果を出しているスイスは、すでに近隣諸国や南米からもモデルケースとして視察に訪れている。
各国の文化や経済状況、生活環境が異なるので、スイスと全く同じように作用するとは到底言えないが、世界的な問題であることは間違いない。