ドイツの酪農家が、ミルクメーカーに対するストライキを始めたのを発端に、欧州各地に広まりつつあるミルクストライキ。スイスでもストライキに参加する酪農家が出てきている。

 ミルクのメーカーが酪農家から買い取る価格に対してのストライキであるが、現在のところ、スイスの大手メーカーEmmiで1日当たりの平均からすると40万リットル少ない入荷で、約20%の減少。これが50%以上の入荷減になると、メインの製品は製造、出荷ができなくなる。ストライキに参加した農家では、ミルクを無料でふるまったり、他の家畜に与えたりして処分をしている。

 スイスではストライキに参加する酪農家が少ないだろうと見られているが、ミルク製品自体が欧州全体で減れば、スイスのミルクにも影響は出てくるだろう。スイスのミルクの価格は、スーパーなどの店頭で現在1リットル1.45フラン。実は2000年には1リットル1.70フランだったとの数字が出てきている。更には牛の肥料となる干草などの価格高騰も重なり、酪農業者にとっては厳しい現状が浮き彫りになった。