日本入国者数の上限撤廃検討で調整

10月から実施を検討と発表

日本政府は、現在の日本入国者数の制限を撤廃の方向で調整すると発表しました。これに伴い、外国籍の旅行者の短期ビザも不要となるように調整するそうです。

また、オミクロン株に対応したワクチンの承認を了承して、入国制限緩和とともに新ワクチンの普及にも力を入れて行くようです。これまでのワクチンは、3回目以降の接種が思ったほど進まなかったため、一時はワクチン接種会場もガランとしていたようですが、ここに来て接種希望者が増えつつあるようです。

ワクチン事業に関わっている知人によると、現在オミクロン対応のワクチン接種の準備に追われているそうで、夏に感染者が増加した影響もあり忙しくなりつつあるとのことです。

参照:https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcwideareaspecificinfo_2022C079.html

日本の人は今でも入国条件緩和に懐疑的

今年の夏に一時帰国をしましたが、ちょうど感染者が増えてきている時期でもあったので、多くの日本人はまだまだ入国制限をしてほしいという雰囲気でした。実際にそれを感じることも多く、予定していた会合が中止になったりもしています。スイスではコロナ対策が終わっていたので、マスクもしていないですし、アメリカの野球観戦の映像でもマスク着用者は皆無。そうした人間が日本に入ってきていることに不安を感じているのは明らかでした。

それ以降、日本のメディアが発表する新規感染者数に逆行するように、徐々に入国条件を緩和してきましたが、おそらく多くの人は、今でも海外からの訪日客に不安を感じていると思います。できれば、日本に入ってきてほしくない。また新たなウィルスが入ってしまう。この2年半もの間、鎖国のような状態であったわけですから、ある意味仕方がないのかもしれません。

円安も加速

それでも、もういい加減新規感染者数を数えて発表するのはやめてほしい、入国制限も無くしてほしい、という声も国内からは出ていました。円安という状況も日本にとっては決して良いことばかりではないですが、訪日客を制限していれば、その恩恵にもあずかれない訳で、旅行業界、経済界から不満の声が出てもおかしくはありません。

実際に、この夏は日本人も海外旅行に出掛けた人も増えましたし、日本に戻る際のPCR検査が不要(ワクチン3回接種済の場合)になったことで、出張や旅行も行きやすくなり、フライト予約も増えているそうです。

鎖国も逆効果だったのか?

日本が厳しく入国制限をしたため、日本国内の感染状況は、欧米が酷かったときに確かに落ち着いていました。死亡者数も日本は少なかったと記憶しています。しかし、イギリスをはじめ、欧州がWith Coronaにシフトチェンジしてからは、日本は出遅れてしまったように思います。

結局、今回の入国者数上限撤廃、PCR検査不要、という緩和措置の流れを見ると、遅かれ早かれ、オミクロンの爆発的感染拡大は経験しなければならなかったということでしょう。つまり、集団免疫の獲得が遅くなっただけに過ぎません。その間に出た経済的損失の方が大きいと見る人もいます。

もちろん、島国と大陸続きの国とでは、文化的背景も違うため、単純比較はできませんが、先進諸国が緩和する中でも、厳しい入国条件を設けていたのは日本だけでした。

ワクチンの3回接種完了の条件はあるものの、PCR検査でフライト直前にキャンセルなんてことは減りそうです。海外在住の日本人にとっては朗報でしょう。

この冬の感染拡大を不安視するのは、どこの国もそうでしょうが、それよりもこの冬は欧州の電力不足の方が気がかりです。