スイスの洗濯事情

コインランドリー

スイスには、コインランドリーがそれほどありません。

仕事や留学でスイスに来られる方々の多くは、寮生活や賃貸のアパートを契約すると思いますが、スイスの場合は多くが洗濯機の共同使用となります。

新築物件や3階以上の部屋の場合は、すでに室内に洗濯機と乾燥機が設置されたアパートもあります。

しかし、なかなか都合よく洗濯機が設置された賃貸物件もないので、他の住民との共同使用となります。

ちなみに、お隣ドイツでは、洗濯機は自前で用意し引越しの際も持っていきます。驚くのは、キッチン一式も自分で購入して、同様に引越しの際は外して持っていくのが普通です。

後任者に買い取ってもらう場合もありですが、その辺はスイスとは事情が違うようです。

アパートによって、ルールが違う

洗濯機の使用については、最初に管理会社から説明があると思いますが、カレンダーに名前を書いて、その時間帯に使用するケースが多いでしょう。

プリペイド式の専用カードで使用する場合もありますし、昔は多かったコインを入れて使用するコインランドリー式もあります。

使用回数も週に2回までとか、世帯数に応じて頻度も変わりますので、その辺はお隣さんにも聞いてみると良いかもしれません。

ただし、中には数ヶ月先まで洗濯の予定を書き込む人もいますので、ルール違反ではないですが、祭日があると困ることも。

特に夫婦で共働きの場合、どうしても夜になってしまいますし、日曜は洗濯機の使用が禁止されている場合がほとんどですので、困っている方も多いようです。

もし、お隣さんなど、仲が良い場合は、その人が使用したらその後に洗濯させてもらうなども可能でしょう。

そのためにも近所付き合いは大切になりますし、向こうからうちは終わったから、今のうちに使っても良いよと、カレンダーに名前を書いていない日でも使わせてくれたりします。

意地悪な住人もいる

以前、友人夫婦が住んでいたところでは、お隣の老夫婦が1日中家にいるにもかかわらず、週3回も夜に洗濯をしていて、共働きの友人夫妻が洗濯できる日がほとんどなかったと話していました。

ただ、その老夫婦は明らかに嫌がらせをしていたと思われ、管理会社に報告したそうです。

また、洗濯の後はきれいに片付けなければなりませんが、2、3日洗濯物を干しっぱなしの住人もいます。

干したまま忘れている人もいます。

乾燥機は服が傷むので、全部干す人もいますが、干しっぱなしは迷惑です。

早朝や夜遅くの使用などはできるだけ避けなければなりませんので、洗濯機の共同使用はときに面倒です。

外には干さない

日本では庭やバルコニーに洗濯物を干しますが、スイスではあまり見かけません。

まれに大きな洗濯ハンガーを共有の中庭に設置している住居もありますが、推奨はされていません。

欧州では、イタリアでは窓と窓の間に洗濯物を干しているのを見かけますが、スイスでは禁止にしている住宅もあります。

洗濯機は共同使用でもあまり良い気にしないけど、他の家の洗濯物は見たくないという感じでしょうか。

個人的には逆ですが、こればかりは仕方ありません。

洗濯機のある地下の部屋には、大抵乾燥機とセコマートとという、風の出る扇風機のような機械があります。

洗濯物を干すワイヤーも設置されているので、そこに干してセコマートを回せば、割と早く乾きます。

柔軟剤を使用する

服が傷みやすいのは、乾燥機や洗濯機だけのせいではないようで、スイスの硬質の水にも原因はあるようです。

Tシャツに細かい穴が開いていたりしますが、単に使用して擦れただけではなく、カルキの多い水が原因でもあるようです。

ですので、カルキ除去剤を使ったり、柔軟剤を使った方が良いようです。

日本から持ってきた服が、スイスで洗濯したら異常に縮んでしまったということもあるので、大事な洋服は手洗いモードや乾燥機にはかけないなど注意が必要です。

スイスの人は、タオルやシーツなどは、かなりの高温(60度から90度)で洗濯する人もいて、日本の水やぬるま湯での洗濯とだいぶ違うので、傷みそうな洋服は低温で洗うと良いでしょう。

クリーニングに出す方法もありますが、なかなか高額です。

 

どうしても自分の洗濯機が欲しい方は、管理会社に相談してみるとOKが出るかもしれません。

ただ、アパートの構造上設置が不可能だったり、工事が必要だったりする場合、排水溝の問題で設置できないケースもあります。

洗面台が2つあるバスルームで、一つを洗濯機の給水用と排水用に利用できる場合もありますが、管理会社に確認はした方が良さそうです。

排水の問題とは別に、階下への音の問題が出ることもあります。

給水と排水のホースの接続は、正しい部品を買えば、それほど難しくないので自分でする人も多いですが、心配な方は業者に頼むと良いかもしれません。

失敗して水浸しになった場合、保険が下りないかもしれません。賃貸の場合は、設置のOKが出ていれば管理会社が手配してくれることもあるので、自己判断ではしない方がいいと思います。

このように、洗濯事情が異なるので最初は苦労しますが、勝手が分かれば徐々に慣れていくと思います。