トリュフのアレルギーで亡くなる

喘息持ちの少年が

今年の夏休みに、スイスに住むある家族が故郷のイタリアの祖父母宅に遊びに行った際、孫の中学生が、料理に入っていたトリュフを食べて、アレルギー反応を起こし亡くなるという悲しい事故が起きました。少年は喘息持ちだったそうで、それが今回の食物アレルギーとどの程度の関連があるかは不明ですが、取り返しのつかないこととなってしまいました。

キノコ類は確かにアレルギー反応の多い食材ですし、毒性のあるキノコも存在しますので注意は必要です。事前に何かしらの食物アレルギーを認識していたかは不明ですが、喘息持ちの場合は、何かしらのアレルギーを持っていることが多いですので、関連がある可能性は捨て切れません。

食事中に異変

家族と近い人の話では、少年は食事中に異変を感じ、トイレへ行ったそうです。なかなか戻ってこないのを心配した家族が様子を見に行くと、個室内で倒れていたそうです。すぐに救急車を呼びますが、現地の救急隊員がスイスのREGAを呼ぶことになり、ヘリコプターでスイスの病院へ搬送されたそうですが、残念ながら間に合いませんでした。

中学生が食事中席を外しても、トイレまで親がついて行くこともないですし、少し長く席を外しても普通は見に行かないでしょう。もしかすると、その場で倒れても間に合わなかった可能性もありますし、とにかく言葉がありません。

合う薬と合わない薬

実は喘息が原因で亡くなってしまった日本人学生の例を知っています。学生時分、海外にいた時の話ですが、その生徒は、留学先で喘息の発作が出ましたが、自分の薬を持っていなかったのか、ホストファミリーが与えた市販の風邪薬が合わず、アレルギー反応を起こし亡くなったという例です。実は、自身も小児喘息で子供の頃苦しんだので、その話を聞いてショックを受けたのを覚えています。

日本の薬局と海外で売っている薬は違いますし、同じ病気の薬でも体質に合わないこともあります。通常、持病のある方は自身の処方された薬を持って海外に行くケースがほとんどですが、その場で持っていなかったり、出先で発作が出て周囲の人が良かれと思って出した薬が合わないことも十分考えられます。

特に留学先では、現地の言葉もまだ不自由なことも多いので、うまく症状を伝えられないこともありますので、咄嗟に対応できないことも応急処置の延滞につながってしまいます。あらかじめ、ホストファミリーや友人に伝えておくだけでも違うのかなと思います。

コロナパンデミックになってから、喘息持ちの人は当初から注意するように言われていましたが、他にも糖尿病など、持病を持った人が気をつけなければいけないのは、こうした新たに変異したウィルスに感染した際の反応がわからないからということでもあります。

ちょっと悲しい話になってしまいましたが、大人も子供も、アレルギーと薬には改めて注意を払っておくべきだなと再認識しました。