日本帰国者、入国者の自主待機について経団連からの提案

2週間の自主待機期間をワクチン2回接種者には解除できないか?

現在日本に入国する際には、ワクチン接種、未接種にかかわらず、2週間の自主待機が必要です。これを経団連が、経済活動正常化に戻すための1歩として、政府に提言案を出す考えがあると発表されました。

提案では、ワクチン未接種者は、14日間の待機から10日間の待機へ短縮し、ワクチン2回接種が済んでいる人は、2週間の隔離を免除するというものです。欧州ではワクチンパスポートが、夏休みに活用されていますが、日本ではまだ自国民の接種が欧米に比べて進んでいないこともあり、まだ対応していません。書面でのワクチン接種証明はあるようです。

抗体量の検査

新型コロナウィルスでは、デルタ株が蔓延し始めていて、ワクチンの効果も時間が経つにつれ弱くなりますが、それでも抗体が残っているのであれば、感染しても重症化を防ぐことができます。重症化が防げれば、病院への負担も減るので、予約なしのワクチン接種などを若者にも提供している首都圏ですが、まだまだといった感じです。そのため、日本ではワクチン接種した人が、抗体検査をする人が増えているそうです。

2回接種した人の抗体量を見てみると、接種から3ヶ月後には4分の1まで減っているというデータが出ています。ただし、これは個人差があるので、ばらつきがあります。また、新型コロナに感染した人がその後2回のワクチン接種した場合は、抗体量の数値が未感染の2回接種よりもかなり高い数値が出ていることが多いようです。つまり、3回接種したのと同じくらいの抗体ができていることが考えられます。

首都圏では緊急事態宣言の中、感染者数も増加中

しかし、日本の現在の状況を考えると、圧倒的にこの経団連の提言案には反対する声が多いように感じます。首都圏を中心に地方都市でも感染者数は伸びていて、ワクチンが追いつかない状況に見えますので、その状況で海外からの入国者に自主待機免除はありえないと言ったとことでしょうか?もちろん、まずは提言というかたちで、すぐにその提案通り、ワクチン接種者の自主待機が免除されることはないと思われますが、議論するのも甚だしいという雰囲気では、話は進まない気もします。

政府の対応に不満がある人も多い中、菅首相が総裁選に出ないということになり、ますます国民の不安は募り、このタイミングでのコロナの規制緩和は逆行しているのかなというのが本音でしょう。しかし、今からでも先を考えないことには、経団連のいうように経済活動の再開に更なる遅れが出て、ダメージが大きくなるのもわかります。

海外に住んでいる日本人の中には、2週間の自主待機がネックで帰国できない人も多くいると思います。そうした人からすれば、是非自主待機解除をしてほしいと思いますが、仮に入国後に陽性に転じた場合の影響を考えると誰もが不安になります。

まだまだ続くコロナ危機。スイスでも先週見送りとなった、レストランでのコロナワクチンパスの提示義務が導入されそうですので、長期化は避けられそうにありません。

この経団連の提言については、日本政府からの発表があれば、またお知らせをしたいと思います。