コロナ禍の各地の映画祭

ロカルノ映画祭が開催

8/4から14まで開催中のロカルノ映画祭は、このコロナ禍において、スイス国内で開催中の最も大きなイベントです。スイスは世界的に見て、コロナ感染防止対策が第2位という評価も受けていて、万全の対策のもと映画祭の開催を決定したようです。
しかし、多くのイベントは未だに中止されている中で、屋外のいわゆるオープンエアー映画祭が、地方の小さな規模でも開催される傾向にあります。

屋内となると、やはり開催を躊躇するケースが多く、感染防止対策や入場に際してのコロナ陰性証明やワクチン証明の確認など、小規模の運営ではなかなか難しいのが現実です。そして、万が一クラスターが発生するということを考えると開催に踏み切れません。

屋外の映画祭は、ワクチン証明か陰性証明で入場可

毎年開催しているため、十分なボランティアスタッフも確保でき、自治体の了承を得て開催にこぎつけた例もあります。もちろん入場の条件には、マスク着用はもちろん、ワクチンパスかコロナ陰性証明が必要で、ワクチン未接種の未成年は入場できないなど、やや厳しめの規制を設けてとなるようですが、開催が可能になったようです。

デルタ株の蔓延

欧州では、デルタ株の感染者数が徐々に増えていて、ここスイスでも例外ではありません。ワクチン2回接種でも、感染の可能性があるということで、3回目接種の議論が起きています。イスラエルでは、既に3回目の接種を始めたようで、スイスは現在のところ慎重にその経過を見ているようです。

製薬関係者によれば、3日目を接種することで免疫が強まるのは正しいということですが、果たしてこれだけの短期間で、3回も打つべきかどうか、ワクチン反対派の反発も強まりそうです。実際にドイツでは、ワクチンを接種したのに、感染対策が一向に緩和されない状況に不満を持つ人が少なくないようです。しかも、3回目接種の議論も出始めています。

人が集まるイベントが一番危険で、一番恋しい

コンサートやサッカー観戦。大きなイベントが生活からなくなりもう1年以上ですが、今年はサッカー欧州選手権を始め、現在開催中の東京オリンピック、そして映画祭など、国内リーグのサッカーの試合も再開しました。感染が広まるのはこうしたイベントごとですが、人々が一番求めていることでもあります。サッカーの欧州選手権の際は、パブリックビューイングもありましたし、少しばかり日常を取り戻した気分にひたれました。それでも、都市部のパブリックビューイングでは、感染者が出ていますし、サッカーの試合感染でも出ています。

感染防止対策はどこまでが正解か

どこまで気をつければいいのか、国はどこまで規制すればいいのか、スイスを見ても日本を見ていても明確なラインがない気がします。それよりも、国や自治体の規制により、商売をされている方々の疲労は限界です。昨年から振り回されて、もう限界を超えているといってもいいでしょうか。実際に倒産や店じまいは相当数出ています。

そんな中でも、医療現場の方の状況は変わらず、離職者も相次ぎますます大変になっているようです。秋以降のデルタ株の蔓延状況によっては、医療施設も大変になりそうです。
医療関係者のワクチン接種の推奨されていますが、我々が思う以上に医療関係者は拒否反応を示していますし、それに対して、ペナルティを設けるなどの処置も問題になります。接種は個人の判断としておきながら、社会的にはワクチン接種の圧力があるのは事実でしょう。医療従事者でなくてもそれは感じます。

夏休みもそろそろ終わりに近づき、欧州も各国の入国規制や自主待機指定の国のリストを出し始めました。
感染防止対策を取った上で、最後の夏のイベントを楽しみたい人も多いと思います。今年の秋冬がどうなるのかが全く見えない中、今だけは楽しみたいというのが本音でしょうか。とにかく、皆さんも感染されないように、十分気をつけて夏を楽しんでいただければと思います。