スイスのTVで日本の紹介

*参照:SRF2, Olympia – Tokyo konpakuto

東京五輪ニュースの間にほぼ毎日、日本の紹介

東京五輪も間も無く終盤に差し掛かり、スイス勢も多くのメダルを獲得し、帰国している選手たちもいて盛り上がりを見せています。夏のオリンピックとしては、スイス勢のメダル数は結構多いようです。そんな中、毎日オリンピックの試合や選手の紹介をTVでみます。その間に日本の文化面を紹介する企画があり、ドイツ語圏ですが、ほぼ毎日見ることができます。
SRF2のOlympia – Tokyo konpakutoという番組名で、20:05分から始まります。
https://www.srf.ch/programm/tv/uebersicht/2021-08-04#19:44

オリンピックのダイジェストの間に、ほんの10分くらいのコーナーですが、日本を紹介するのは、日本に1年のうち半年住んでいるというパトリック・ローさん。この方は、以前同じくスイスのTVで日本の文化や習慣を紹介するプログラムで登場した人です。その時は、まだ日本には住んでいなかったようで、その取材をきっかけに日本が気に入り、フリーランスジャーナリストとして、1年の半分は日本に住むということになったようです。

スイス人が知らない日本を紹介

紹介するパトリックさんの人柄もあるのか非常に面白く、色んな角度から日本の文化や人を紹介しています。ある時は日本の銭湯の文化を取材したり、食べ物を紹介したりと、スイス人が知らない典型的な日本の一面を見せてくれています。数年前の番組では、新幹線の清掃員の素早さを紹介していました。

時々、こうした日本を紹介する番組はあるのですが、このパトリックさんが取材したもの以外にも、他国が製作した日本紹介番組にドイツ語字幕をつけて紹介するプログラムもありました。それがちょうど夕べ放送されたのですが、パトリックさんとは別の角度で日本の違う世界を紹介していました。

誤解される気がしなくもない

欧州の人から見る日本の印象は本当に様々で、見る視点が違うことは十分承知していますが、改めてこちらの人の視点で見てみると、普段気にも留めなかったことが、欧州の人には奇妙に写っているのだと思いました。しかし、その奇妙さは実は自分も感じていたものであったりするので、TVで紹介されてしまって、恥ずかしいような気分になるものもあります。

例えば、地下アイドルを応援する中年のおじさんたちが取材されていましたが、これは流石に怪しげな目で見られてもおかしくないことかもしれませんが、全ての中年おじさんがそうないとわかっていても、スイスに人にはある程度印象付けられてしまう気がします。おじさんたちが、光る棒を持って、子供のような若い女の子のアイドルグループの前で汗だくになって踊っている光景は強烈な印象を残します。

スイスで日本の特集をしてくれるのは嬉しいことですが、全く知らない人が日本に対してそんな印象を強く持ってしまうのは複雑です。もちろんその人がどう感じるかは自由ですし、人によって違うでしょう。スイスのTVとしても欧州では見たことのない奇妙な光景を紹介した方が、誰もが知っている寿司や天ぷらを紹介するよりもはるかに面白いはずです。

いろんな側面のある日本

それでも、こうして見てみると、日本は東京のような大都市から田舎の町、島の人の生活までとにかく多様です。都市部は、発達した技術とテクノロジーの街でもありますが、厳かな雰囲気の風習が残る村があったり、海と山、火山のような自然との共存をしている国でもあります。見どころは確かにたくさんあります。
この多様性は、TVの番組でみるより一度現地で経験しないとわからないことかもしれませんが、この東京五輪をきっかけに日本に興味を持って、いつか日本を訪れるスイス人が増えてくれるとうれしく思います。