スイス国民投票6/13

Covid19法

60.2%賛成 39.8%反対で可決

昨年から続く新型コロナウィルスの蔓延で、政府が国民の生活や企業活動を制限する権利を今後も与えるべきか否かという法案でしたが可決されました。
現在進むワクチン接種の政策などに不満がある人も多いですが、反対派は、政府に小売店やレストランの営業を停止する権利はない、マスク着用を強要する権利はないといった主張で、デモ行進なども各地で起きていました。スイス政府も感染拡大を防ぐために、企業や個人業の保障をしながら対策を進めてきましたが、我慢を強いる間に失業したり、倒産したりする小企業があるのも現実で、国民の我慢もそろそろ限界だということでしょう。しかし、これはスイスだけの問題ではなく、世界的に流行している新型ウィルスの防止対策で、行動を制限されるのは仕方ない部分もあります。このパンデミックが早く終わって欲しいというのは、賛成派も反対派も同じですが、新型コロナウィルスに関する防止対策については、意見が真っ二つに分かれている気がします。

Co2法

48.4%賛成 51.6%反対で否決

温室効果ガスを減らすためのCo2法案は、拮抗したものの否決されました。これには、例えば近距離のフライトなどが高くなる可能性もあり、個人や企業の負担が増すことがネックになったようです。

化学農薬の使用禁止法

39.4%賛成 60.6%反対で否決

この法案については、スイスの飲料水イニシアティブにも関係する議題でしたが、農家の人たちが反対を表明していていました。スイスでは、他国とも比較して危険とみなされている農薬の使用は平均的な位置にあります。地中に農薬が何年も残る問題もあり、危険な農薬を減らす傾向にはありました。しかしながら、農家の生産コストの上昇、農業製品の価格高騰がネックとなり否決となりました。

飲料水イニシアティブ

39.3%賛成 60.7%反対で否決

化学農薬の使用禁止と同様に、飲料水のイニシアティブは、農家で使用する水にも関わってくるため、生産コストの上昇が理由となり否決になりました。農家も危険な農薬を減らした作物を生産したいのはもちろんで、消費者側からも安全な食には関心があります。それでも、生産コストの上昇が消費者の負担につながるとこうしたイニシアティブは、すんなり可決とは行きません。経済と環境の両立が難しい議題でもあります。

テロ対策法案改正

56.6%賛成 43.4%反対で可決

テロ対策を理由に、警察の権限強化ではないかという声もありましたが、結果は可決ということで、国民のテロに対する警戒心は強いことが示されました。人権侵害という声もある中、テロの準備をしていると思われる人物の監視や事前阻止を行うことは、市民にとっても安全が確保されるということで可決になったようです。以前として、欧州ではテロの警戒は続いており、スイス国内でもテロ組織の準備を計画していた人物が逮捕されたりしたのは記憶に新しいかと思います。