病院のキャパシティを超えないために

有名人や多くの人がSNSで自宅待機を呼びかける

現在、スイス政府が発表したように、全国民に不要な外出を避けるように、自宅待機をお願いしています。
出ると思われていた、外出禁止令が一部のカントンを除き、スイス全土には出ていませんので、外出自体はまたできる状態です。
それでも、5人以上の集まりは100フランの罰金を課すなど、割と厳しめの処置を取られる可能性もあります。

警察はパトカーで見回り

実際に、ここ数日はパトロールをする警察の車をよく見かけます。先週までは、森のBBQグリル場所では、軽く50人は越える人たちが集まって楽しんでいたのですが、流石にこの週末は無理なようです。日に日に変わっていく状況に、少し脅威を感じますが、自宅待機をする理由は、病院のキャパシティを超えさせないための時間稼ぎです。

病院のキャパシティを超えないために

スイスの医療は先進国でもトップクラスといってもいいと思います。感染者が増え続け、病室がコロナウィルスの患者で埋まって行きます。そうすると怪我や他の病気で来院する患者のベッドが無くなります。多くの人、特に持病を持った人や65歳以上の高齢者が無駄な動きをしなければ、感染のリスクを避けれることになり、ワクチンや薬が出るまでの時間稼ぎになります。買い物に行けない人は、周囲の若い人が手伝ってくれたり、連携して買い出しに行くというグループが出てきています。
同じアパートの人や体の不自由な人など、助けが必要な人は申し出ると誰かが買い出しに行ってくれます。

オンライン注文も1、2週間待ち

高齢の親を抱える知人が、オンラインで食料品を注文して両親の家に発送しようとしたところ、1、2週間かかる事がわかり断念しました。
食料品宅配サービスは以前からありますが、やはり注文が殺到しているようで、配送が大幅に遅れています。来週の食料がない場合は、全く役に立ちません。
そうすると、スーパーには在庫があるので、やはり誰かが買って届けることになります。

他のものでも、高齢者はパソコンを持っていないか、スマートフォンでもオンラインショッピングをしたことがない人もいます。そうすると自分でオンライン注文するということ自体が困難であるわけで、周囲の協力が必要です。

とにかく、今は不要な動きを止めることで、感染拡大を遅らせる方法をとっているスイス。
何としても医療崩壊だけは避けなければ、助かる人が助からないケースに繋がります。
家にいても、怪我や事故にも気をつけないと、病院に運ばれてもベッドがなかったり、コロナウィルスに感染してしまったりということになりかねません。
今は文字通り辛抱する時間のようです。