対人距離を注意される

akebitenshokuさんによる写真ACからの写真

スーパーのレジにて

 2、3いるものがあったので、近くのスーパーへ。自分の前には、80歳はゆうに超えているだろうと思われるマスクをしたお婆さんがおられ、会計を済ませたが買ったものをまだバッグに入れてない状態でした。高齢の方なので、動作もゆっくりで、こちらも特に急いでなかったので待っていましたが、レジの人が自分のものを既にスキャンしてしまったので、支払うために前に少し出ると、そのお婆さんが突然、「床に線が書いてあるのが見えないの?距離をとってちょうだい!」と自分に言ってきました。
 確かにレジの周辺も出口も狭い店でしたが、距離は十分に取ったつもりです。カードで支払いするために前に進まざるを得なかったので、こちらとしては仕方ないのですが、そのお婆さんには脅威に感じたのか、そう言い残すとサッサと出て行ってしまいました。

 この2ヶ月間、スイス政府がソーシャルディスタンシングといって、お店などでは2mの感覚を取る様に推奨していました。TVでもラジオでも1日中やっています。しかし、どこのスーパーに行っても、真後ろに近づいて来る人はご老人の方ばかり。買い物中でもおかまいなしに人の前に入り込んで、商品を手にするのが日常でしたので、今日の反応は意外でした。あまりの意外さに、こちらは不快な気分にもならず、関心さえしました。

 しかし、家に帰る途中、ふともう一つのスローガンを思い出しました。これもTVやラジオでスイス政府が1日中やっている、「65歳以上の方は家にいてください!」というスローガン。あのお婆さんは誰も買い物に行ってくれる人がいなかったのでしょうか?いや、おそらく電車で席を譲ると、怒ってしまうタイプなのかもしれません。
見知らぬアジア人に向かって、一喝できるくらいの元気があれば、まあ大丈夫でしょうか。

アメリカでは事件にも発展

 新型コロナの感染者の多いアメリカでは、スーパーでのマスク着用が義務付けられた州で、スタッフがマスクをしていない人に注意したところ、拳銃で撃たれてしまったという信じられない事件が報道されました。それはそれで極端な例ですが、皆、どこかイライラしているのは否めません。ちょっとした一言が、溜まりに溜まったストレスを公共の場で発散させてしまうことが起きてもおかしくないのかもしれません。
 対人距離も大切ですが、思いやりも大事かもしれません。