母の日は国境を通過。街ではデモ。

母の日

 国境をまたいで、離れ離れで暮らす人も多い欧州。スイスとドイツの国境では、ドイツに母親が住んでいる場合は、その家族が国境の通過を許されました。
日曜日なので、スーパーに買い出しにいけませんので大丈夫と判断したのか、それにしても若干緩い気もします。実際、それに対して抗議をしている人もいて、これまで外出自粛をしている意味がないと怒っている人もいます。

ベルンの街ではデモ行進

 およそ500人の人たちが、新型コロナに対する外出自粛、営業自粛をすぐにやめろ!とデモ行進したようです。経済活動の自粛により、生活に支障が出ている人も多く、早く元の通常生活に戻りたいのは誰もが望んでいることです。明日から第2段の緩和が始まり、第1段階より大きな規模の緩和ですので、かなり前進したと思うのですが、それでもまだ規制が厳しいと思っている人たちです。

 確かに、この2ヶ月間で少し感染のピークも過ぎたとして、今回の緩和に繋がっているのですが、一気に人が外出し、集まるようになるとそれはまた別の話のような気もします。リスクのある方が感染すると、非常に早く重篤になったりすることはいくつも確認されていますので、慎重に緩和して行き、ウィルスとの共存をしていかねばならない気がします。
 息苦しい日常生活に変わりはありませんが、デモ行進を行っている時点で、人が密集しています。マスク姿の人もあまりいない様子。

 今回の新型コロナウィルス騒動には、全く気にしていない派と非常に神経を使っている派と別れています。明日の第2段階の緩和では、まず公立学校の再開があり、かなり多くの子供たちが同じ教室で授業をともにします。これまで8週間あまり自宅でのオンライン授業を行ってきた生徒たちが、明日から一気に集まります。マスク着用義務はありません。カントンによっては、半分を出校させて、半分を自宅で遠隔授業という地域もあるようですが、各自治体レベルで対応が任されています。
未成年や若年層には、感染しにくいという判断が出ています。症状が出ずウィルスを運ぶことも考えられるのですが、これらの結果は1-2週間で数字が出てくると思います。

国境の封鎖は続くが協議中

 スイスと国境を接する、ドイツ、フランス、オーストリア、イタリア、リヒテンシュタインなど、それぞれの国で国境の開放をいつにするか協議しているようですが、一気に人が動くとやはり不安です。前述したように、今後はウィルスとの共存しか選択肢はないわけで、そうなると病院のキャパシティが崩壊しない限りは、ある程度の人が感染しなければならないことになります。つまり、これからまた次のウィルスの脅威に晒される場合は、どの時点で人の動きを止めて制御するか?経済活動を再開するか?など、これから各国にとって、大きな課題になってきます。

日本では第2波、欧州では?

 日本では現在第2波が押し寄せていると報道されています。飛行機の移動をほぼ止めている状態ですが、この状態で欧州に第2波が来なければ、やはり人の動きを制御することに効果があると言えるでしょう。100年前のスペイン風邪と比較されますが、医療も人々の動きも全く違う時代。スペイン風邪の時は、集団免疫と言われるまで2年ほどかかったと言われています。今回も同じように2年もかかるのか、医療や薬の進歩でそこまでかからないのか?まだわかりません。
 各国では、封じ込めに成功したはずが、一気に緩和した結果、ナイトクラブで再度感染が広がりました。スイスや欧州でもあり得る話です。

 まずは、経済活動の再開を段階的に進め、通常の生活が100%に戻るまでの見極めが重要になってきます。このままではダメなことは誰もが思っていますし、新型コロナウィルスではなく、倒産や失業で生活が崩壊する人も出てくると思いますので、それをいかにして食い止めるか、国民を守っていくか、政治の力が問われます。