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国際結婚(食事編)

スイスで暮らす日本人のうち、その多くが、スイス人か欧州の人と結婚した国際結婚組である。
その大多数は日本女性とスイス人男性の組み合わせ。その逆は最近では少し増えた気もするが、少ない。
この組み合わせについては、また別の機会に書きたいが、今回は食事について。

育った環境も味覚も全く違う人間が一緒に暮らすとなると、どちらかが相手に合わせるしかない。幸い日本人は食べることが好きなので、こちらの食事に合わせることも問題ないが、やはり自分で作るとなると、日本食になるだろう。
こちらにきて、当初驚いたことがある。それは、あるスイス人の友人がほとんど食事に興味がない、と言ったこと。食べることが基本的に好きではないという。もちろん少数派だが、かなり偏食の人もいて、食に対する意識はだいぶ違うことに驚いた。別のスイス人は、トマトソースのパスタしか食べないそうで、他のものを一切口にしないそうだ。これには周囲のスイス人も珍しいと言っていた。

まずスイス人の朝食は、パン、ヨーグルト、コーンフレークなど。そして何も食べない人もいる。基本的には、お昼にたくさん食べて、夜はサラダやヨーグルトなど軽いものだけの人も多い。それは、日本でも健康に気を使った人なんかはやっているので、寝る前にたくさん食べないことは体にも良いと知っていたが、180cmから190cmある体格のいいスイス人男性がそれで足りるのか?と思ったりもする。
これに対し、日本の和食の朝食には、皆一様に驚く。朝から米や魚を食べるなんて、信じられない!これは何度も驚かれた。もちろん、日本でもパン食が多いので、若い世代は朝から味噌汁や焼き魚など食べている人は少ないだろう。

さて、前置きが長くなったが、スイスでの国際夫婦の食事について。朝食については、ほとんどがパン食であろうからあえて触れないが、まずは誰が作るのか?
前述の通り、日本女性とスイス人男性の夫婦の場合は、日本女性がキッチンに立つことがほとんどであろう。スイス人男性も家事には積極的に参加して、週末は料理が趣味なんて人もいる。ただし、これにはスイス人女性が言っていた(反論していた)ことだが、やたら高級食材を買ってきて、肉を焼くだけとか、皿に盛るだけで、料理ではない人も多々いるとのこと。聞いた中で一番ひどいのは、缶詰をたくさん買って来て、それを皿に盛るだけの人もいるとかで、しかもそれが来客の時もそうなんだとか。実際に招かれた知人が、ワイン通でグルメのスイス人だったので、がっかりしたのは言うまでもない。

しかし、スイスの食事といえば、チーズ料理が有名だが、フォンデュやラクレットを食べるのに、家庭でチーズから作る人はほとんどいない。つまり、味付けは最初からほぼ決まっているわけで、胡椒やスパイスで風味を加えるのが限度。あとはフォンデュならワインの分量で多少味が変わるだろうか?つまり、既に下ごしらえをしたものを買って来て食べるケースが多い。パイ生地に仔牛肉のソースを流し込んだクリスマス時期の料理もそれに近い。パイ生地を自分でやる人も、仔牛肉のソースも自分で準備する人はいるのだろうが、ほとんど知らない。
そうなると、どこの店のソースが美味しいか、どこの店の肉がいいか、と言うことになる。しかし、一度こうしたソース類をスイス人に評判の肉屋で注文しておいて、期待して食べたが、これが大外れ。たまたま、うまく調理できていなかったのかどうなのかわからないが、なんともお粗末な味だったのを覚えている。ちなみに身内のスイス人もこれはまずいと言っていたので、その時の店の失敗作なんだろうと思う。

とにかく完璧を求めるスイス人だけに、失敗のない料理を大事な時には用意するわけだが、今までスイス人の家に招かれて、最多のメニューが夏のBBQだ。長年スイスに住んでいるので、もちろんスイス料理をふるまってくれる友人もいるが、結局夏のBBQが一番多い。理由は大人数招いた時に楽なのと、肉も既に肉屋のものを用意してあるか、ソーセージなので、失敗がない。子供もたべれるし、ビールを飲んで皆満足と言うのが定番になっている。自宅の庭に大きな焼き窯を持っている人や、最近はどこの家でもおなじみの家庭用ガスグリルを持っているので、大変なのはグリルの掃除くらいだ。

こう書いてしまうとスイス人は料理しないのか?と思われてしまうが、TVでみるスイスの農家の主婦が作る料理番組は、下ごしらえからしっかりとやって、かなりこだわったものを出している。そこに出来合いのものはもちろんなく、自分のところで採れた野菜や肉などを使い、それを他の農家の主婦に食べてもらい、点数をつけあうと言う番組だ。農家ならではの食材や料理で、どれも美味しそうだ。
これを見て思うのは、スイス料理は下ごしらえからやろうと思うと、かなりの手間がかかる上、慣れていないと満足した味になるかどうかの保証がない。ここまでの作業を毎回人を招く度にするのは確かに大変かもしれない。よっぽど料理が趣味な人は別かもしれないが。

こうした状況から、国際夫婦の場合、日本人の方が料理をした方がバリエーションも豊富で手っ取り早いと言うことだろう。ほとんどのスイス人の旦那さん、奥さんも満足しているケースが多い。言い換えれば、日本人は食事にうるさいと言うことで、その欲求を満たすためなら、手に入らない食材を何かで代用したりして、工夫を凝らし食卓にあげる。
美味しく出来上がれば、そこに究極の満足感を得て、欧州に暮らしている日本人は多いのだろうと思う。
レストランに行くだけでは得られない達成感がそこにある。

*記事内容はあくまで個人的な意見、経験によるものですので、予めご了承ください。