スイス人の休暇について

夏本番で、猛暑が続くスイス。2003年に欧州を襲った猛暑に迫る勢いだ。クーラーのない自宅で熱中症になった人も多い。

さて、そんな暑い中、スイス人はどのような休暇を過ごしているのか?欧州に来て10年以上になるが、とにかく、一言で言って、彼らは休暇のために働いているといった印象だ。早い人は1年も前から、休暇の計画を練る。そして、予約してしまう。

しかし、これには理由があり、職場で年間の休暇予定を大雑把に決めておかないと、社員全員が休暇を取りにくくなり、同時期に同じ部署の人間が何人も休暇で抜けてしまわないようにする必要があるからだ。こちらの企業で働いている人なら、よく分かる状況かと思う。

家族のいる者、独身者、特に子供のいる家庭は、学校の休みにあわせて割と優先的に休暇日程を決めれたり、逆に独身者は、学校の夏休みが始まる前にリゾート地が家族連れで混み合うのを避けて休暇を取れたりする。

スイスも多少そうだが、お隣ドイツなどは、各州(地域)で学校の夏休みの時期がずれる。そうしないと、民族大移動で、一斉に南に向かうドイツ人の車でアウトバーンは大変なことになるからだ。さすがにスイスに比べてドイツは大きい。
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人気の海水浴の休暇先としては、スペインのマジョルカ島が有名で、ドイツ人が非常に多く、レストランもドイツ語のメニュー表のみならず、ドイツのソーセージなどもある。スイス人にももちろん人気で、そこらじゅうでドイツ語を耳にする。

次はイタリア。アドリア海岸、ジェノバ近郊のリグーリア海岸。シチリア島、サルデーニャ島など各地にそれぞれ特色あるビーチが楽しめる。
食事もよく、イタリア人もフレンドリー。イタリア語の話せるスイス人も多いので、車でも行けて、昔から人気の場所。
一時期人気が落ちたが、現在子育ての世代が、子供の頃のホリデーを懐かしんで、人気が戻っているそうだ。子供にもフレンドリーなのは評価が高い。

フランスは、コルシカ島、マルセイユ、などが人気で、こちらも車で行けて、フランス語の出来るスイス人には人気。
島については、上記のどれも地中海に浮かんでいる島々で、地図で見るとほんとうに隣近所といった感じ。

ホテルで朝昼晩の食事つきプラン、ホリデーアパートメントを借りて、自分たちの好きな時間で過ごせるタイプは子供連れの家族に人気。
電車や車で地中海まで走ることも可能だし、飛行機で行き、現地はレンタカーと言うプランも便利。地中海の島まで、フェリーで渡ることも出来る。
中には、ホテルやアパートを利用せず、行く先々でキャンプ場を探して、テントで寝泊りする強者までいる。
一口にホリデーといっても、皆スタイルはそれぞれ自由だ。これが、欧州人の夏の休暇の醍醐味かもしれない。

休暇先では1日海岸で過ごす人もいれば、ホテルのプールで読書をする人、小さな町を散策する人など、とにかく誰にも左右されることなく1日をゆったり過ごす。
それから、ホテルなどでは、宿泊客用にインターネットの接続もWIFI完備しているので便利だ。

子供向けのキッズホテルや、子供が参加できるアトラクションやプログラムを用意していたりするので、親はビーチでのんびり出来たりする。
また、浜辺の街並みを散策するのも非常に良い。昔ながらの石畳の通りや古い教会など、建物も趣がある。

とにかく海のないスイスにとって、夏のバカンスは日常を忘れる絶好の機会。
スイスのきれいな湖や山ももちろんおすすめだが、欧州に来たばかりで、やっぱり海という人には地中海をおすすめしたい。