日本滞在中の国内の様子

湿気のある日本の夏とクーラー

日本に到着してからは、実はそれほど天気が良くなかったので、どちらかといえば拍子抜けした感じです。しかし、それでも暑い日本。クーラーなしでは過ごせません。

電車やデパートも当然クーラーがついていて、スイスの生活に慣れている者としては、直撃するクーラーの風に凍えておりました。電車では、常に同じ場所に風が当たり移動もできずに寒い思いをしましたが、暑いよりは良いでしょう。常に1枚羽織ることができるように、シャツなどを持っていました。

マスクをしていない人は皆無

スイスでは、すでにコロナ対策なるものが解除され、お店でもマスクはしていません。高齢の方がたまにマスクをしているのを見かける程度です。しかし、日本では予想通り、公共交通機関では、誰もがマスクを着用しています。日本では義務でもありませんが、やはり人の密集する東京のような大都会では必要でしょう。

道を歩いている人も、早朝の誰もいない路地裏でも皆マスクをしています。TVでは熱中症の恐れがあるので、外で人のいないところではマスクを外しましょうと言っていましたが、あまり見かけませんでした。自分は人のいない屋外ではマスクは外して歩いていましたが、道路の反対側から視線を感じました。

テレビの報道の仕方

日本滞在中は、それほどTVを見ていたわけではないのですが、朝ニュースがついていると最初はコロナウィルスの新規感染者の増加のニュースでした。その時点では、スイスの方が多かった覚えがありますが、スイスでは大して報道されず。日本のテレビで見るとその状況は、ややパニックに近い感じの報道の仕方で驚きました。専門家の人たちが延々と議論しています。

しかし、政府は国民の行動制限を出さずに通常営業です。そうなると今度は、日本人は自己判断で気をつけようとします。他府県には行かないとか、旅行を控えるなどの対策をとっているように思いました。実際、新幹線も比較的空いていました。スイスの人なら、制限がないなら大丈夫だから遊びに行こう!となる気がします。

しかしながら、徐々に感染者が増えていき一時的ですが、日本は世界でも最も新規感染者が多い国となっていました。

コロナウィルスが原因のトラブル話

田舎に行けば行くほど保守的というのは、日本に限った話ではありませんが、知人に聞いた話で、コロナパンデミックの最初の年にある田舎の家族で最初の感染者が出たとき、とんでもないことが起こりました。

その家の大学生が、東京で開かれたコンサートに行きコロナに感染したとかで、地元の田舎では瞬く間にその話が広まりました。すると、その夜から感染した学生の住む家に石が投げつけられ、窓ガラスは割れ、ひどい状況だったそうです。結局その一家はその村を追われて、他の町に引越しを余儀なくされたと聞き、背筋が凍りました。とても日本で起きた話とは思えませんでした。

その他にも、他府県ナンバーの車が傷をつけられたとか、家に嫌がらせの電話が来たとか、ひどい話もよく聞きました。今では、多くの人がコロナに感染していますが、当初はそうした理不尽なことが日本でも起きていたのかと思うと驚きます。

非接触型の生活スタイル

今回の帰国はかなり久しぶりでしたが、どこへ行っても人と接触しないように配慮がされていて、コンビニでのお金の受け渡しも機械だったので、以前にも増して浸透していた気がします。コロナパンデミックのせいで、より非接触型の生活スタイルになっていったと思われます。

電車の利用ももちろんですが、現金を人に直接渡したのは、ほぼなかった気がします。便利ですが、年配の人達は対応できているのだろうかとふと思いました。スマートフォンも普及したとはいえ、持っていない高齢者もいるでしょう。それは日本入国の際も同じでしたが、スマートフォンを持っているということが前提でのアプリによる入国審査でしたし、便利な反面、デジタル化で戸惑っている人もいるのかなと思いました。その辺はスイスでも似たような感じかもしれません。

また、あるレストランでは、配膳ロボットなるものが導入されていて、備え付けのタブレットで注文した料理をロボットが持ってきます。不要なお皿もロボットが持って帰ってくれます。こうして、徐々に人間の仕事が奪われていくのかなとも思いましたが、スイスの友人に聞いてみると、ウェイターとのやり取りが大事なので、それはそれで味気ないから嫌だなあということでした。確かに、スイスや欧州では、食事をしている最中にウェイターがやってきて、「どうですか?」などと客席に挨拶しに来ます。しかし、大きなチェーン展開するレストランでそのようなコミュニケーションは皆無なので誰も求めていないので、日本の都市部では今後も配膳ロボットが増えていくでしょう。既に技術的には、注文から支払いまで、完全にセルフで行うことも十分可能です。

日本の利便性を追求する傾向、関心度の高さを感じました。